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★最新スレッド一覧
1: これが恋だなんて気づかなかった。 (2) / 2: あなただけでいいから (4) / 3: 雲を吹く@女子中学生の異世界召喚ファンタジー (195) / 4: 愛しき貴方は液晶画面二つ越し。 (4) / 5: 中学生恋愛小説 (1) / 6: SexyZone恋愛小説 (16) / 7: 雨のちくもり (1) / 8: 交わした約束の有効期限 (59) / 9: 電柱に乗って。 (24) / 10: • °*男性歌い手さん* • ° (4) / 11: 布屋とカラフル (42) / 12: 桜が散る頃に (8) / 13: _Presto_Vivace (3) / 14: 曇りのち雨で、また晴れる (39) / 15: アオハル ~4 seasons~ (8) / 16: なりすまし自演荒らしレミンコ晒し (12) / 17: はなびらになって、綺麗に舞っていく (4) / 18: 恋よ来い!! (14) / 19: なんの恋なんだろう (8) / 20: ♥恋を叶える方法♥ (1) / 21: 幼い恋でも。 (5) / 22: *。゜。「スキ」、そのコトバが言えなくて。゜。* (124) / 23: 39℃の恋【短編恋愛小説】 (5) / 24: おまんこ (1) / 25: ノンシュガー笛吹き大会 (1) / 26: 君が恋して来いしても、 (6) / 27: # Adolescence (1) / 28: ♥白と黒の甘い嘘♥ (9) / 29: 中学生×恋愛 (4) / 30: この気持ちを伝えたい (2) / 31: 恋の意味 (4) / 32: 運命?信じるよ (14) / 33: たった1年違う、それだけなのに (3) / 34: 失恋の終わり方 (1) / 35: ノンシュガーバレンタイン (12) / 36: 海水浴女子お一人さま (27) / 37: 銀魂 (2) / 38: 月見る度、君想ふ。 (1) / 39: 3月13日生まれの女の子。 (4) / 40: 恋愛小説 (5) /


【1:2】これが恋だなんて気づかなかった。
1: Ruri☆2018/05/12(土) 17:57:42 HOST:1.ch545a.cyberhome.ne.jp
吹奏楽部の先輩×後輩の話を書いていきたいと思います!

2: Ruri☆2018/05/12(土) 18:27:31 HOST:1.ch545a.cyberhome.ne.jp
私は小窪文魅(こくぼあやみ)。
1年前に中学校の吹奏楽部に入部し、今は2年生。
担当楽器はホルンで、3年は女子2人、2年は女子2人に男子が1人。吹部全体の人数が61人と、結構大きな部活だ。
そして今日から新1年生の仮入部が始まる。

「はじめまして、今日はホルンパートに体験に来てくれてありがとう!」
3年の杏果(きょうか)先輩の明るい声が、私たちホルンパートの活動している音楽室のなかの準備室に響き渡った。
今日きてくれたのは、2人の女の子。どちらとも、落ち着いた雰囲気をまとっている。
「じゃあまずマッピ吹いてみよっか」
そう言った後、先輩は私たち2年生に練習していていいよ、と告げた。
「ありがとうございます」
その言葉を聞いて、彼女はにっこりと微笑んだ。

どれくらい練習していただろうか、気がつくと仮入部が終わる時間となっていた。
「今日は、ありがとうございました!」
1年生が礼儀正しく挨拶をする。
「是非また来てね」
あ、でも、ほかのパートも見てみて!と、先輩が優しく接する。
「先輩たちって、すごく良い人だよね〜」
隣にいた藤田朋恵(ふじたともえ)が言う。
ほんとほんと、と相槌を打っていると、横から同じくホルンパートの守谷流星(もりやりゅうせい)が何の話?と顔を出してきた。
「先輩が優しいって話だよ」
へぇ、とだけ言って、彼は去って行く。
「なんなのアイツ」
朋恵は守谷と小学校で離れたものの、保育園が一緒だったらしく、なぜか若干の敵対心を持っていた。
「まぁまぁ」
そして、新1年の仮入部1日目が、この苦笑で終わってしまった。


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【2:4】あなただけでいいから
1: アカネ☆2018/04/27(金) 19:52:53 HOST:kd027095037062.ppp-bb.dion.ne.jp
降りしきる雨の中、あたしを拾ってくれたのはあなただった。

2: アカネ☆2018/04/27(金) 19:57:10 HOST:kd027095037062.ppp-bb.dion.ne.jp
「うぜーんだよ!」

11月、そろそろ冷えてくるこの時期に、あたしは頭からバケツの水を被った。

「アハハ!!汚ーい!」

「悲惨〜」

そんな声が聞こえる。あたしは黙って顔についた水を拭って、床に落ちたバケツを見た。
「トイレ清掃用」と書かれたシールは、あたしが被ったのが汚いものだと嫌でも証明する。

「いい加減来るのやめたら?あんたみたいな尻軽がクラスにいても困るんだよねえー!」

女子たちの高らかな笑い声に、男子の笑い声も混ざる。その中にはあたしを罵る言葉も少なくなかった。

この空間にいるのが嫌だ、とあたしは強く感じた。だけれども、だからといってどこに行けばいいのかも分からない。

あたしは居場所がないことを実感しながら、その場に立ち尽くしていた。


3: アカネ☆2018/04/27(金) 23:48:39 HOST:kd027095037062.ppp-bb.dion.ne.jp
大崎朋香、高校1年生。
受験に失敗して私立の共学に進み、安定した友達もできたこの秋に大失敗を犯した。

友達の彼氏の松山って男子に誘われた。
金あげるから、一回だけ付き合ってって。

別にお金が欲しかったわけでも寂しかったわけでもない。だけど、なぜかあたしは友達を裏切っていけない関係を持つことに興味を抱いた。

一回だけ、そう言ってあたしは松山に抱かれた。
当然一回でやめることなんてできなかった。彼の部屋に遊びに行ったとき、運悪く友達にバレて私は一躍最低女となってしまったってこと。


4: 名無し☆2018/05/09(水) 16:39:14 HOST:p156251-ipngn200303otsu.shiga.ocn.ne.jp
続き、気になります!
書いてくれたら嬉しいです


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【3:195】雲を吹く@女子中学生の異世界召喚ファンタジー
1: ukineko866☆2017/05/18(木) 17:53:31 HOST:sp1-75-255-31.msb.spmode.ne.jp
雲を吹く1

空はどんよりとした灰色の雨雲に覆われていた。
まるで今の自分の気分のようだった。今にも心が泣き出しそうだった。
鞄もテスト勉強せいで、いつもより教科書やノートがたくさん入っていて重い。
「もーやだ。重い!」


189: ukineko866(sage)☆2018/03/21(水) 19:10:06 HOST:sp1-75-198-83.msb.spmode.ne.jp
あたしは頬に手を当てて、深刻そうに言った。
「数学と英語と理科が得意だから、医療系はイケると思ってた」
「そりゃ最悪だ。そんな心構えでイケるところってないんだよね」
小梅が言ったので、あたしは前言を撤回して本当の将来の夢を軽い気持ちで言ってみる。
「嘘だけど。本当は子供が好きだから幼稚園の先生になりたいくらい。ピアノ好きだし」


190: ukineko866(sage)☆2018/03/27(火) 16:23:43 HOST:sp1-75-198-83.msb.spmode.ne.jp
「子供好きが今までの会話の流れから軽薄に響くよ。不幸だね」
小梅がそう言うので、あたしは口を尖らせた。
「いや、それはないでしょ。というか、ないよ! いやだって、そういう会話の流れを作ったのは小梅ちゃんじゃない」
「医者なんてものはなりたいやつが勝手になる。血縁も何も関係ない」
突然、低い声がしたのであたし達はハロルドを見上げた。
ランプの灯りが男の人の顔を浮かび上がらせる。


191: ukineko866(sage)☆2018/03/29(木) 11:25:25 HOST:sp1-75-198-83.msb.spmode.ne.jp
「お、ハロルドさん、なんだかカッコいいですね!」
あたしは思うがままを気にすることなく言った。
ハロルドがこちらを振り返る。
はっきり言って、あまり男の人とこういう近い距離で話したことがない。
でも、どうせここは異世界なのだから、彼もクラスメイトじゃあるまいし後のことは関係なくてどうでも良いのだし、好き放題に話せば良いやと気楽でいる。


192: ukineko866(sage)☆2018/03/29(木) 11:34:41 HOST:sp1-75-198-83.msb.spmode.ne.jp
「自分の身体が悪い。頭が変だ。他人の医者は信用できない。どうしても治したい。自分で医者になるしかない。あとは執念だ」
ハロルドが言うので、あたしは相槌を打った。
「そうなんだあ」
クダーがクチバシならぬ、口を挟む。
「二メートルの壁があって、それを軽くジャンプしただけで乗り越えられるハロルドと、助走をつけて何度も挑戦してもなかなか乗り越えられないアリマとではわけが違いますよ。同じ物差しで測るには、もとから持っている力の差が大きいでしょ」
「あたしもそう思うよ」
小梅も頷いた。
あたしも頷いて、ふと付け足す。
「同じくらいの執念や辛さを抱えていた人がたくさんいても、やっぱりその中で強い人が勝ち残る。あと、やっぱり、小梅ちゃんやクダーさんが話していた通り、家業だったり、身内でたくさんいたりする、後ろ盾が磐石な人」
普通の人じゃなかなか医者にはなれないよ、と締め括って、別に医者になりたいわけではなかったのに大げさに膨れてみせる。


193: ukineko866(sage)☆2018/03/30(金) 10:12:11 HOST:sp1-75-198-83.msb.spmode.ne.jp
「学校に行っているだけだと、ちょっと成績が良かったりして、頑張れば誰でもなれるという風に思い込んだりしちゃうじゃない。でも、実際は違うんだなって。若い子を騙してスケープゴートに利用するんだ」
あたしがブツクサ言うと、小梅が笑って付け足した。
「そりゃそうだ。どこの世界も無知で若いのは使い勝手が良い」
「ひどい言い草ですね。私は子供が好きなので心が痛い」
クダーが咎める。
あたしはカラスの方に頷き、ふとスカートを整えて座り直した。
膝をくっ付けて上品に見えるように意識した。
「学費も掛かるし、大変。うちは貧乏じゃないんだけど、金持ちって程でもない。その親戚のお兄ちゃんも今は看護助手のアルバイトをして一から出直しているんだ」
「偉いですね」
クダーが褒めたので、あたしは頷いた。
「うん」
その横で小梅がタンポポを食べながら、笑った。
「要はうちのお兄ちゃんじゃなくても、看護師でも産休を取って復職したら職場に自分の居場所がなくなって退職に追い込まれた的な。いると思うんですよ」


194: ukineko866(sage)☆2018/03/30(金) 11:42:29 HOST:sp1-75-198-83.msb.spmode.ne.jp
あたしは大きく息を吸って吐いた。
言葉を整える。
「出払っているといっても、町や村に着いたら、一人一人尋ねていけば、いると思うんですよ。現職でない医者や看護士」
「好きにすれば良い」
ハロルドが答えたので、あたしは好きにしますと言った。
小梅がふと会話を戻す。
「途中で大きく折れた男が看護士で続けていけるかね」
子ウサギはこういった内容の会話にシビアだった。
あたしは息を飲んだあとに、ゆっくりと吐き出す。
「女の人が先にやめて行くと聞いた」
「なるほど」
小梅は答えてシロツメクサをぽりぽりやりだした。


195: ☆2018/05/08(火) 02:20:38 HOST:softbank126141055029.bbtec.net
全部、よみました!一時間ぐらいかかった…汗

でも、時間かける価値あり♪ほんとに面白かった!

これからも、がんばれ!読みますー!


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【4:4】愛しき貴方は液晶画面二つ越し。
1: フレット☆2018/04/02(月) 20:27:18 HOST:fl1-119-244-128-37.ngs.mesh.ad.jp
恋愛小説二作目です。
『交わした約束の有効期限』終わってないのにすいません・・・。
よかったらどちらも見て頂けると嬉しいです。


2: フレット☆2018/04/03(火) 10:50:07 HOST:fl1-119-244-128-37.ngs.mesh.ad.jp
 
こっちには本編では出ないであろうスピンオフを書かせていただきます。

スピンオフ1:嘘からの畏怖

私はここ数日、まともに睡眠を取っていない。
web小説が文庫化するのは非常に有り難い、有り難いけども。
夜中の4時―もう明け方に近いこの時間に携帯を鳴らすのはやめてほしい。
直接目に飛び込んできたブルーライトに顔を顰めながら左から右に丸をスライドさせた。

「もしもし、何ですか。こんな夜遅くに。」
「いやぁ〜ちょっと今楽しいの真っ最中でしてね!」
「・・・日本語可笑しいですよ。」

私にこんな遅くに電話をかけてきたのは担当者の田川良太さんだった。
田川さんを嫌っているわけではない―というか、むしろ感謝しかないのだがこんな夜にかけてきて機嫌を悪くするなという方がおかしい。
多少言葉が汚くなったり棘があっても許される範囲でなら、大丈夫なはずだ。
そんな風に脳は冷静に判断を下すのに、それをどうも私の本質が受け止めない。

「後ろ、すげ。煩すぎじゃないですか?」

私が立て続けに突っ込んだり問いただすと、一瞬の間を開けて私よりも雑な返事が帰ってきた。
後ろは笑い声とグラスの音が響いて起きたばかりの耳には大層なダメージを残す。

「ふぉへ〜。今日ね、挿絵等も書き終わって、編集もしてもうすぐ文庫化できるとこまで来たよ。」
「ほ、本当ですか?!」
「うん、だから今打ち上げやってる。蓮ちゃんも来ない?」

有難う御座います、お疲れ様ですの言葉と冷静な私はどこか彼方へ飛んでいった。
来ない?って、来れないでしょう。
だいたい、酔っ払いばかりの中に大学生の少女を入れると?
確かにお酒は飲めるけど、あんまり好きじゃないし、最初がそことかハードル高すぎだし。眠いし。

「・・・すいません、今日は遠慮します。じゃあ、楽しんでください。有難う御座いました、お疲れ様です。」
「あ、蓮ちゃ」

田川さんの言葉も聞かず、私は通話を終わった。
部屋には再びの無音と静寂が訪れる。
再び寝よう、とベッドにダイブ仕掛けた時、私の唯一無二である相棒がメールの着信を告げた。
メールというか、チャット形式のLINEじゃないやつだけど。私の相棒、パソコンを開いて電源ボタンを二秒ほど押すと、スリープになっていたパソコンが起動し某掲示板が映る。
右のチャット欄を見ると、月桂樹からの送信、一件。
今度は何事だ、と田川さんの時よりもずっと期待しながらチャットを開いた。そこには。
『友達と文庫化のお祝い中だぜ!』
と、どうでも良いコメントと友達としてよく写真に写っている直哉さんと正隆さんが映っていた。
三人ともども缶ビール片手に楽しそうに写っている。
これは、私がただの寂しい奴なのか。
パソコンの前で顔を顰め首を傾げてたっぷり十秒程も考えた。
出した結論は、『よし、嘘をつこう』だ。 割り切った。
もう関係ないことにしよう、そうでもしないとなんだか自分だけが寂しい奴みたいで。
田川さんも月桂樹も友達といるのに、私は一人寝てる、とか寂しいし可愛そうだから。
だからと言ってこんな時間に友達を叩き起こすことなどできない。
がために、文だけだったら嘘をついてもばれないので「私も今友達と飲んでるよ!」と返信。
「へぇ、そうなの?本当に?」
「何で、そんなこと聞くの?」

質問に質問で返す最低な暴挙に出た。
しかしそれから数十秒たっても私の質問に返信が来ることはなく。
寝たのかな?それともどうでも良くなった?
一人脳内で自分を質問責めにしながら辛抱強く待った。それでも返信は来なかった。

「寝た、のかな?」

暗闇の中に月光の差す暗いながらも暖かい部屋の中で私はひとりごちた。
再びスリープして閉じよう、と思った刹那―
玄関のチャイムがけたたましく鳴り響いた。二回も。
一瞬肩を震わせ、友だちかと今度はスマホを見るが、そこには誰からの着信もない。
月桂樹はさっきから返信ないし。

「・・・誰。」

一人で小さく呟いて自分で畏怖を覚えた。
冷たくなったような部屋で身震いして何も知らないふりして寝よう、と思うと再びチャイムが鳴る。
何度も、確かに。
仕方なく、足音を忍ばせ腰を低くしてモニター画面へ向かう。
そこに知らない人がいたらどうしよう。
目をむき出しにして手には鋭利な刃を持ってるおじさんやら、おばさんやらがいたら。
そう思いつつ震える右腕を左手で抑えて右手中指で画面をタップした。そして、玄関に立つ人の姿が目に入った。

「・・・田川さん。」
「あ、起きてた!蓮ちゃん!」

声が聞こえるようになっているため、モニターを起動した今、私が小さく呼んだ名前が本人の耳にも届いた。
それを聞いた田川さんが私に向かって―モニターに向かって大きく手を振ってくる。私はそれに最大級の怒りを含んだ笑みで笑いかけた。

「あぁ、田川さんでしたか。どうぞ、中へ。」

ロックを解除すると調子はずれの鼻歌と共に軽やかなステップで入ってくる田川さんが見えた。部屋の電気をリモコンで全灯にして待つ。

「あ、蓮ちゃん。お土産持ってきたよ〜」
「・・・それ、明日でいいですよね?」
「へ?・・・怒ってる?」
「そりゃあ、勿論。こんな夜中にチャイム押しまくられたらこっちもビビりますよね。」
「え〜でもさぁ、結局起きてたんだしよくない?」
「・・・田川さん、一時間。時間下さい。」
「え?いいよ、一時間くらい。」

その一時間は、延々と説教で終わることとはならず、半分の三十分は私の小説の話となり。
月桂樹のことも交えながら数時間オーバーで夜を明かした。
スリープしていないパソコンのチャット画面に月桂樹のコメントが溜まって行く事も気づかずに。
翌朝、私は怒り気味の月桂樹に事情説明をすることに追われた。色々な意味で、疲れた数時間だった。

(省略されました・・全てを読むにはこちらを押してください)

3: フレット☆2018/05/03(木) 01:05:17 HOST:fl1-119-244-128-184.ngs.mesh.ad.jp
スピンオフ2:紺白の王子

街の中心部に大きく屹立する茶色の駅に設置されたアンバー色のベンチに首を垂れる中心区近郊の高校に通う男子高生。
よく整った顔にアイビー・グリーンの瞳に映し出される空は、どんなに美しく磨いた鏡で映すより何倍も美しかった。
昌隆君にややファンタジックな説明を終えてから右手に強く握られ若干皴の歪みの酷い濃紺の布地に金の刺繍の入ったハンカチが見えた。
私は揺蕩う雲の群れから目を離して昌隆君の顔を横目で見た。
始めて見た表情からは想像できない程落ち着いた顔で空を眺める顔はギリシャ神話に出てくるアポロンのようだった。
桐花があれだけ熱心になったのも、普段言わない我儘を言ったのも理解できる。
私がまじまじと顔を見つめているとその視線に気づいたのか、昌隆君がこちらを不思議そうに見てくる。

「どうかしましたか?」
「うん、そのハンカチ格好いいなと思って。」

私の言葉に傾げていた首を下に向け右手に収まるハンカチを見つめる。
再び怪訝そうに首を傾げてから両手に持ち直し大きく顔の前で広げていた。
濃紺の布地に金の刺繍がそれぞれ四方にスペードのような形を模して造られており、それを繋ぐようにラインが同色で刺繍してある。
そこから内へ向かって木の幹のように曲がりくねった何かが刺繍され中心部分にはよく解らない紋章のようなものが入っている。
本当に貴族が持っているようなハンカチだ、と改めて思いその美しい模様を焼き付けるべくじっと見つめる。
昌隆君は今だに私の言葉が理解できないようで回してみたり、ちょっと離してみたりしていたが再び私を見ると今度こそ首を横に振った。

「俺には解んないですけど・・・。これ、格好いいですか?」
「うん、少なくとも私は格好いいと思うよ。」
「・・・そうですか。有難う御座います。」

まだ納得できないようだったが、あまり深追いする気も無いらしくハンカチを折りたたんでカテドラル色のブレザーのポケットの中にしまう。
もしかしたら昌隆君が持っているからこそそう見えるだけかもしれないが、どっちにしろ美しい極まりないのに変わりはなかった。

「・・・これは。」

その後アドレス交換をしてから別れ、大学へ行く電車までの残り約二十分を潰すべく売店を練り歩いていたのだ。
そこで土産物にどうぞ!と書かれた特設コーナーにあるハンカチを見てひとりごちていた。
それはまさしく昌隆君が持っていたハンカチと色違いだったのだ。
白亜の布地に濃紺の刺繍の入った若干女性を意識してありそうな色合いのハンカチだった。
写真を取ってその情報を流せばあっという間に広がりそうだが、それをすることで昌隆君には迷惑極まりないだろう。
目の前にあるハンカチを一つ取ってよく見てみるがやっぱり色違い他ならなかった。
値段は650円。
安いのか、割と無くなっているペアリングハンカチをレジへ運んだ。
私が欲しいわけではなく、桐花にでもやろうと思ったのだ。
しかし、親切のつもりなのかレジ打ちの店員には「もう一種類ございますがそちらは…?」と聞かれ、とっさに「贈り物です。」と答えた。
贈り物だからこそ訊いてきたであろう店員に何とも理解し難い答えを返してしまった。
最後まで店員の女性は心配そうに私を見ていたが何も言わず私が帰るところを見て諦めたようだった。
諦めた、と言うかどうでも良くなったのだろうけど。
相変わらず雪架からは返信が来ない。
とりあえず桐花には昌隆君が持っていたハンカチと色違い買ったからあげる、とメッセージを入れておいた。
よほど暇なのか数十秒と開けずに有難うのポーズを取る猫のスタンプが送られてきた。

やっぱり、王子キャラで泣き虫で、悩み深い不思議な少年も出すべきか…。
とファンタジー思考に陥りながら昌隆君に紺白の王子と名付けておいた。
小説に出すときも、その名前にしようかな、どんな見た目かな、と完全に現実から目をそらして切符売場へ向かった。
瞼の裏にはまだ、紺白の王子がリフレインしていた。


4: フレット☆2018/05/03(木) 01:06:37 HOST:fl1-119-244-128-184.ngs.mesh.ad.jp
この小説の本文は『小説投稿城』にて同題名で掲載しています。
気になる方はぜひ見に来ていただけると幸いです。
コメント等は、こちらでも大丈夫です。


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【5:1】中学生恋愛小説
1: 朝陽☆2018/04/30(月) 18:24:01 HOST:p042.net112139249.tokai.or.jp
はじめまして!朝陽といいます
投稿するのが、始めてなのでご指摘いただけるとありがたいです


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【6:16】SexyZone恋愛小説
1: あおそう*#sekuzo☆2018/04/23(月) 14:12:59 HOST:p156251-ipngn200303otsu.shiga.ocn.ne.jp
初めまして!
あおそう*といいます、
この掲示板で小説を書くのは
初めてなんですが…
ノーマルなんですが、書いていいんですかね??
なんか間違ってたり、だめだったりしたら
教えてください!分かんないので!!
それではよろしくお願いします☆


10: あおそう* (ccloiOCs9I)☆2018/04/25(水) 22:11:47 HOST:p156251-ipngn200303otsu.shiga.ocn.ne.jp
「マリウスくん〜!!

どこ行ってたの〜もぉ〜」

マリウスくんと教室に戻ると、

女子がマリウスくんの方に来てそう言った。

「○○ちゃんとお昼食べてたんだ、」

「え〜そうなの?」

「明日はうちらと食べようよ!」

「んー考えとくね!」

「え〜今決めてよ〜」

あーあ、マリウスくんもってかれちゃった…

もう先生来るだろうし、

自分の席に座った。


11: あおそう* (ccloiOCs9I)☆2018/04/25(水) 22:18:29 HOST:p156251-ipngn200303otsu.shiga.ocn.ne.jp
そんなこんなで放課後…

「マリウスくん、一緒に帰ろー♡」

…私も帰ろ、

鞄を持って、教室から出ようとしたら…

「ごめんね、今日は僕、

○○ちゃんと帰るから」

「えっ!?」

いつのまにかマリウスくんが

隣に立っていて、…

「行こっ」

「あ、うん…!」

教室からは、女子のえー!?って

いう声が聞こえてきたけど、

マリウスくんにそのまま手をひかれていった。


12: あおそう* (ccloiOCs9I)☆2018/04/25(水) 22:25:24 HOST:p156251-ipngn200303otsu.shiga.ocn.ne.jp
「ま、マリウスくん、」

「んー?」

「良かったの…?」

「??」

「あ、や、その、

私と一緒に帰って…」

「僕が○○ちゃんと帰りたいって

思ったからいーの!」

「え、えぇ!?」

「ふふ、驚きすぎだよー笑」

…私と帰りたい、

なんて思ってくれたの…?

「君が好きだよ、」

( ゚д゚)ハッ!

なに私あの夢のこと思い出してるの‼

確かにあれはマリウスくんだったけどっ!!

現実のマリウスくんとは

関係ないよね!?

こんなに綺麗な顔の人が

私のこと好きとかありえないし!!

「○○ちゃん?」

「あっ、ごめん!」

すぐに靴を履いて、

マリウスくんの元に行った。


13: あおそう* (ccloiOCs9I)☆2018/04/25(水) 22:34:45 HOST:p156251-ipngn200303otsu.shiga.ocn.ne.jp
「○○ちゃんって家どの辺〜?」

「えっとね、ここから

15分くらいのとこ!」

「そっか!いがいと近いんだね!」

「うん、マリウスくんは?」

「僕は30分くらいかかるかな〜」

「え!遠いね!!」

「まぁね〜」

…ていうか…

ていうかっていうか、

やっぱりみんなマリウスくんのこと

見てる…

「あの人かっこいいね〜」

「外国人?ハーフかなぁ、」

…私もちょっと気になった。

「マリウスくんってハーフだよね?」

「うん!ドイツのね!」

「ドイツ!?すごい!!!」

「そぉー?(笑)」

「うん!」

「そっかぁ〜」

…マリウスくんって、

なんかぽわ〜んってしてて

可愛いなぁ…(笑)


14: あおそう* (ccloiOCs9I)☆2018/04/26(木) 16:04:49 HOST:p156251-ipngn200303otsu.shiga.ocn.ne.jp
「家ここなんだ〜!」

「うん!送ってくれてありがとう、」

「いえいえ!じゃあまたね!」

「うん!また明日!」

家の中に入った。

…これって夢じゃないよね…

試しにほっぺをおもいっきり

のばしてみる。

うん、痛い。←

…夢じゃないか…


15: あおそう* (ccloiOCs9I)☆2018/04/26(木) 21:45:21 HOST:p156251-ipngn200303otsu.shiga.ocn.ne.jp
夜…。

就寝時間になったので、

自分の部屋に行って

ベッドに寝転んだ。

眠かったからすぐ寝れる…

いつのまにか寝ちゃってた。

「○○ちゃん…」

「マリウスくん!」


16: あおそう* (ccloiOCs9I)☆2018/04/29(日) 18:51:19 HOST:p156251-ipngn200303otsu.shiga.ocn.ne.jp
「ん…」

目が覚めたらまだ朝の4時頃だった。

…またマリウスくんの夢…

みちゃったなぁ…

…でも夢では王子様みたいな格好してて…

…まだだいぶ早いから寝よう、

もういっかい寝た。

「○○ー!

もう7時30分よ!」

「えっ」

し、7時30分!?

もう一回寝たら夢はみれなかったけど…

寝坊とか最悪〜!!!

走って学校に向かった。

「わっ」

あとちょっとで学校ってところで、

誰かにぶつかった。


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【7:1】雨のちくもり
1: ☆2018/04/21(土) 12:07:51 HOST:222-225-38-189.ppp.octp-net.ne.jp
こんにちは。

趣味で投稿をしてる夢です!

占いツクールでも夢で活動してます

「恋愛小説です!!」


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【8:59】交わした約束の有効期限
1: フレット☆2017/05/15(月) 11:41:56 HOST:fl1-119-244-131-16.ngs.mesh.ad.jp
久しぶりに書いてみたくなったので、書いてみようかなと思います。

―交わした約束の有効期限―


誰が好きとか、誰と誰が付き合っているとか、誰は誰が好きだとか。
そんな話題が僕の周りに出始めていた。
時に、「石門君は?」
なんて聞いてくることもある。
僕は、正直どうでもいいと思うのだ、そういうことは。

「いない」

そう答えれば、相手は必ず、「ふぅん」
と僕に興味を失う。
恋とか、小さいころはあこがれてたかもしれない。
ただ、今はどうだっていいのだ。

「お前、悲しいやつだな〜 青春楽しめよ?」

なんて言われたこともある。
僕は、青春とかどうでもいいし。
ていうか。
お前だって彼女とかいないだろうがっての。

「青春だぞ?」
「青春ってなんだよ」
「・・・・」

そんな会話も常習犯。
僕は、まったく興味がないのである。
この世界の恋というものに。



「沢口くーん!」
「キャーッ!今、手振ってくれたよね?!」

帰り際、廊下でたびたび女子の歓声を耳にする。
何が楽しいのだろうか。
あの大勢の女子たちは、あいつに恋をしているのだろうか。
可愛そうに。
あいつが選ぶのは、一人だけなのに。
そもそも、あの中から選ぶとは限らないのに。

沢口 抄黄 さわぐちしょうき

僕も、知っている。
いや、こんな僕でさえも知っている。
そう言ったほうがいいか。
ルックスは、いいのではないかと思う。
あいつみたいだったら、青春楽しめとか言われないのだろうか。
言われないよな。
むしろ、分けろとか言われてそうだ。
青春を分けろって、なんだそれ。
自分で考えておきながら、バカらしくて笑ってしまう。

ただ、思うことがある。

「あんな風だったら、もう少し。生きることも楽しかったのだろうか」

女子の歓声も聞こえない静かな廊下で呟いた。


53: フレット(sage)☆2018/03/11(日) 16:33:51 HOST:fl1-119-244-128-37.ngs.mesh.ad.jp
僕の断りに磨里は小さく首を横に振った。
そのままうつむいたかと思うと、再び両手を膝の上で強く握った。
ふふ、と小さな声が聞こえた。

「判ってた。判ってたんですよ。石門さんが涼ちゃんの事話してる時の顔とか見てると、判るんですよ」
「そ、そんなに?」
「はい。だって、私が石門さんの話をするときと同じ顔してましたから」

磨里が再び顔を上げる。
その顔には赤みがほんの少し薄れ、涙の跡が残る。
茜色の空は、磨里の美しい顔を一層綺麗に彩る。
僕も、磨里が嫌いなわけではない。
むしろ、どこか引かれる部分がある。
でもそれは、涼架に似ているから。
それを、僕は知っている。

「帰りましょう。・・・ここからは、一人で大丈夫。それではまた、日曜日に」
「え、あ。ちょっと!」

僕の伸ばした右手が磨里の右腕を掴むより早く磨里は公園を駆け抜けていった。
また、掴めなかった。
涼架が死んだときに求めていた何かも、磨里の思いも。

「ごめん」

烏一匹の声すら届かない暗い公園で小さく呟いた。



54: フレット(sage)☆2018/03/13(火) 21:32:55 HOST:fl1-119-244-128-37.ngs.mesh.ad.jp
上記の間違いを訂正します。
磨里の日曜日、は正しくは土曜日です。

僕は磨里が帰った後、どうしようもない自己嫌悪に浸りながらますます暗くなった道を歩いた。
磨里が僕に必死に思いを伝えてくれたのは、判っている。
でも、僕が磨里に抱いている思いは、間違いなく磨里への思いだ。
でも、本当は。
遠回しに涼架への思いでもあると思う。
僕はきっと、今更になって気が付いた涼架への愛情を、誰かにぶつけたくて。
涼架にそそげなかった分の愛情を誰かのために使いたくて。
それで今、磨里へ思いが強くなりつつあっるのだと思う。
でも自分でも自覚している。
これは、磨里への愛情であると同時に、それは涼架への愛情であり、涼架への思いのほうが大半を占めているということに。

「どうしようもないな。何で、僕はいつもこう。もう少しで掴めそうな何かを逃してしまうのだろうか?」

僕の小さな質問に誰かが答えてくれるはずもない。
聞こえるのは、葉がこすれる音や、車の音。
そして、遠くで鳴く烏の声。
答えなんて、知っているはずなのに。
それを認めたくなくて、信じたくなくて強引に、無理やりに判らないふりをしているだけだ。
本当は、気づいているくせに。

「僕には、涼架の思いを考えて突き止めることも、磨里の純粋な気持ちを受け取ることもできない。僕には、その資格がない。大切な人への気持ちもわからず、人ひとり守れない僕なんかに。」

僕が抱えている葛藤なんか、あの頃の涼架に比べたら、小さくて些細なことでしかないのだろう。
僕は、今磨里や涼架への思いを抱き、苦しみながらも、しっかり息をしているのだ。
真玉は回っている。
自分の気持ちを整理しようと必死に働いている。
僕は、生きようとしている。
涼架は、死んでしまうほどに追い詰められていたのに。
僕の頬を伝う一粒の涙が、完全に沈みかけた夕日に照らされ、輝いた。
そしてその光は、いつまでも僕の瞼の奥に残像が張り付いて消えなかった。
この涙は、この涙には。
何の価値があるだろう。何の意味が込められているのだろう。
恐らく、謝罪と愛情。
簡単な二つの感情。
生まれた時から誰もが持っている人間の出発地点にある大切な感情。
そして、対なる勘定。
それらが今、僕の涙となって、一つに混ざり合って流れていく。
たった一粒のはずなのに、僕の心の中のすべてが出されたように感じた。


「ただいま」

帰ってくる言葉はない。
母は確か、仕事で遅くなるといっていた。
別に構わない。何の問題もない。
でもそうしてか今は。今だけは。
誰かに僕のどうしようもない思いを聞いてほしくて仕方なかった。
沢口には言えない。磨里にも勿論言えない。
父はにも、恥ずかしくて言えない。
実を言えば母だって。
恥ずかしいし、言いたくない。

「疲れてるのかな。」

リビングのドアを開けてそのままソファに深く腰掛けた。
バックはソファの横に放り出し、そのまま目を閉じる。
そして再び、長い思考に陥った。


55: フレット(sage)☆2018/03/14(水) 19:09:38 HOST:fl1-119-244-128-37.ngs.mesh.ad.jp
涼架が生きていたなら。
今僕がこうして悩む必要もなかったのだろう。
磨里が苦しむ必要も、沢口が叶わぬ思いを抱いて生きていくこともなかったのだろう。
でも、君が生きていたなら僕は、君の大切さに気が付けずに、君への思いに気が付かなかっただろう。

「涼架。君は、どうしてこの世界から消えてしまったんだ。誰が君を、殺したんだ。」

絶対に届かない疑問を口にした。
たった一つの疑問を口にしただけなのに、胸が苦しくて仕方がない。
行き場のなくなった気持ちは、壁に当たって僕に帰ってくる。

涼架は、誰に殺されたのだろう。
自殺、の可能性も捨てきれない。
でも僕には、涼架が自分で命を絶つ原因が判らない。
磨里は、父親に理不尽的な精神的苦痛を受けていた、と話していた。
だったら、涼架が自殺したとも考えられない。
いや、むしろそっちの可能性のほうが限りなく高まるだろう。
じゃあ、だれかに殺されたという可能性はどうだろう?
僕自身は、他殺の可能性のほうが高いと踏んでいた。
まぁ結局すべて土曜日に判ることだ。
今一人で考えても解決には近づかない。
でも、僕自身として、涼架の死の真相に少しでも近づきたい。
早く、知りたい。という焦りが大きかった。

「涼架。逢いたい。」

僕のささやかな願いは天高く消えてゆき、いつか涼架に届くだろう。
いつか涼架に届くことを願おう。
僕の脳裏にはまだ、僕の頬を伝っていった一滴の涙が張り付いていた。
それは、磨里の涙のように美しくなくて。
涙は残酷な罪の色に染まっていた。
茜色の罪。
あの茜色は、美しいと同時に。
僕には絶対に忘れられない罪の色となった。



「じゃあ、行ってくるから」
「気を付けて、行ってらっしゃい」
「おう」

短い言葉を交わして家を出た。
あの日から早くも二日経ち、僕の考えはまとまらないままだった。
集合時間の午後一時まではまだ一時間ほどある。
移動時間を考えたら、一時少し前には着くだろう。
雅の矢へ行くための電車に乗りながら、二日前の続きを考えた。
自殺か、他殺か。
昼から考えるには何とも物騒な考えを一人頭の中で回転させた。
僕としては、他殺の考えで行こう。

そうこうしていれば、目的地に着いてしまう。
電車から降りれば、いまだ冷たい風が容赦なく差してくる。
空はよどみの一つない晴天だ。
これが夏ならば最高気温の記録更新でもしていただろうか。
ただ凍てつくような寒さの冬には空が何色だろうと関係ないのだ。
冬の仕事は、大地を冷やすことなのだから。
と、一人口に出さずに冬への感情をわけもなくごちた。

「寒いな。」

何となくでマフラーをつけていてよかった。
すれ違う人も皆しっかりと防寒対策をしている。
その中で、見慣れた人物を見かけた。

「磨里」

つい先日、僕に必死の思いで気持ちを伝えてくれた、僕の中の小さな涼架だった。
あの純粋な茶色の瞳は、どうしても涼架を思わせるのだ。
涼架の死への、真実解明と行こうか。


56: フレット☆2018/03/17(土) 22:57:16 HOST:fl1-119-244-128-37.ngs.mesh.ad.jp
磨里とあってからも先日の余韻が抜けずに二人とも黙っていた。
気まずい空気の中でやっと雅の矢に着いた。
カフェの前には沢口が立っていた。
始めてみる沢口の私服は顔相応に格好良かった。
イケメンは服も格好いいのか。
同じ兄弟のはずなのに、苦しくなる。
心の中で沢口と比べて劣っていることを実感して意気消沈しながら沢口のところに歩いていく。

「おはようございます、沢口さん」
「おはよう。その服、似合ってる。涼架に似てるね」
「・・・そうですか」
「じゃあ、行くか?」

沢口のテンプレな言葉を聞いたのちに早く進めることを促す。
磨里にそんなテンプレの決まり文句が通じるはずがないだろ。
それくらい判れよ。

「そうだな。磨里、案内宜しく」
「はい、任せてください。」

磨里は沢口に頷きながら前に進んでいく。
大通りから抜けたところをずっと真っ直ぐ進んでいくと右手に雅の矢が現れる。
それからまだ先に歩いていくとまた違う大通りが出てくるのだ。
その大通りに出たら信号を渡り右に曲がる。
そこはまっすぐ進み左。
そこには、まだ新しい家が立ち並ぶ住宅街になる。
大通りにはあらかたの生活用品がそろっているが、もっといい品ぞろえを求めるなら、駅のある通りに出なければならない。
昔は僕も、ここに住んでいた。
涼架の隣家に住んでいた。
でも、涼架が死んでからすぐ引っ越した。
僕は正直反対だった。
涼架が死んでから引っ越すのは、涼架を見捨てるようなことになると思ったのだ。
ずっと一緒にいた涼架が死んだことを信じられずにいた僕を心配して引っ越してくれたのかもしれない。
いや、それは無いな。
母がただ、人が無くなった家の隣家にいたくなかっただけだろう。
でも、何も駅二つ分も離れなくても、と思いはしたが言えなかった。
それはやはり、僕が弱かったから。

「着きましたよ。やっぱり、あいつはいないみたいです。」

磨里が車庫を確認していった。
薄桃色の壁にグレーの屋根。
玄関前には鉢植えがあった。
しかしその中には何も植えられてはいない。
僕が遊びに来ていたときは、季節によって様々な花が植わっていた。
僕が知らない花を、涼架が植えて大切に育てていたのだ。
涼架が死んで磨里がいない今、花を植え育てる人がいないのだろう。

ここで、すべてが、判明する。


57: フレット☆2018/03/25(日) 18:09:17 HOST:fl1-119-244-128-37.ngs.mesh.ad.jp
灰色の三段程の小さな階段を上ると茶色のドアがあった。
磨里が茶色のドアを開けると靴が三足程しか無い三和土にだった。
涼架の家に来るのは久しぶりで、覚えていなければいけないのに、いつの間にか頭の中から記憶が無くなっていた。

「靴、少なくね?」
「・・・いや、当り前じゃないですか。ここもうあいつしか住んでないんですよ?」
「なんか、辛辣になってきてない。言葉。」
「そうですかね。早く入らないと閉めますよ。」

磨里は随分僕たちに慣れてきたのか言葉が辛辣になってきた。
それを聞いて僕と沢口は急いで三和土に入った。
少なすぎる靴はどれも黒革のローファーだった。
まだ玄関に入ってきただけなのに生活感の無さが滲みだしていた。

「こっちです。あいつ、今日はいないはずですけど何があって帰って来るか判らないので出来るだけ早く終わらせましょう。」

こっちです、と言って磨里が玄関のすぐ右手にある階段を上って行った。
学生靴を三和土で脱いで揃えてあった灰色のスリッパを履いて磨里の後を追った。
二回には二つの部屋があるはずだ。
右と左に部屋があり部屋の間にはたった一枚の家族写真があった。
―はずだった。
昔はそれぞれのドアに涼架、磨里と名前が茶色のプレートに書いてあったはずなのに、それすらも消えていた。
ますます生活感が感じられない。
階段の上に設置されていた窓にはブラインドがかけられていた。
そのせいで日光は遮られ二階にあるはずなのにまるで地下のようだった。
昔は家族写真があったはずのところには日航が当たらなかったため昔と全く同じで綺麗なまま真っ白な壁色だった。
磨里は迷いなく右の部屋を開けた。

「涼ちゃんの部屋はこっちですよ。パソコン、どこだっけ。」

磨里が入って行った後僕たちも涼架の部屋に入った。
昔は何ともなかったはずの部屋に入るだけでどうしてか脈拍が早くなった。
何も変わっていないはずの部屋は白と茶色で統一されていた。
その部屋は女子らしいというのに近からず遠からずといった感じだった。

「俺もパソコン探すよ。」
「有難う御座います。」
「・・・僕も―」

探すよ。
というよりも先に、涼架の沢山の本の中に同じ色のノートが五冊あった。
涼架の本のコレクションは百冊を優に超える。
その中に五冊の水色のノート。
パソコンを探さなくてはいけないのにノートが気になってしまう。
どうしようか。
心の中で葛藤していたが、少しだけ、とノートを手に取ってしまった。

「・・・日記。」

一ページめくるとそこには―

「・・・私は、死にたい・・・?」

これは、涼架の本心の書いてあるノートだ。
ただの日記ではない。
そう思って、ノートを残り四冊すべて引き出した。

「これ。何か、役に立つんじゃ。」
「お、何それ。日記?俺も読んで―」
「それ、石門さん読んどいてください。」
「え、え?俺は?」
「沢口さんはもう少し一緒に探してもらえますか。高いほうとか私取れないんで。」

恐らく今のは、先日僕が磨里に涼架が好きだと言ってたから磨里が配慮してくれたのだろう。
涼架の本当の気持ちを知ってくれと言わんばかりの目で磨里がこちらを睨んできた。
その磨里の配慮に感謝しつつノートを部屋の真ん中にあった茶色の小さなテーブルに並べた。
それぞれノートには最初の記述から最後の記述をした日にちが書いてあった。
涼架の本心が、判る。
知りたいけど・・・知ってはいけないような気がする。
涼架があの日掴もうとしていたものは、本当は。
何だったのだろう。
僕が約束を守ることで判るのかもしれない。
でも、判らないのかもしれない。
これを読めば、そんなこと何も関係なしに判る気がする。
涼架が本当は何を考えているのか。
涼架が、自殺したのか他殺だったのか。
今は判らない事件の真相も、ここで解決に近づけるような気がする。





58: フレット☆2018/03/27(火) 20:51:19 HOST:fl1-119-244-128-37.ngs.mesh.ad.jp
ん、これは・・・。
一番古いノートから見ようとした時、五冊目のノートに宇宙を模された付箋が貼ってあるのが見えた。
ちょうど真ん中の辺りに付箋が貼ってあった。
その付箋は、僕が中学三年生の時に涼架に送った物だった。
付箋、シャープペン、ノート等の文房具セットを送ったのだ。
まさかこんな形で対面するとは考えていなかった。

「・・・何か大切なことでも書いてあるんじゃね?そこから読めば?」
「そうだよな、やっぱり。」

沢口が僕がノートの前で一人悩んでいるのを見抜いたようで、パソコンを探す手を止めて僕にアドバイスを送ってきた。
沢口の言葉で僕の中の迷いが吹っ切れた。
迷わず子冊目のノートを手に取り、付箋の貼ってあるページを開いた。
念のために一ページ前から捲ってみた。
一ページに一日分の日記を書いていた。
普通の日記だろうと思って安楽な気持ちで一行目を通すと、そこから醸し出される何とも悍ましい雰囲気に目を閉じてしまった。
気持ちを落ち着かせるためにたっぷり五秒程目を瞑ってからじっくり読まずに目を通していく。
一言で言って、病んでいる。
死にたい、苦しい。助けて、どうしよう。
そんな暗く、悲しく、やはり悍ましい言葉が綴られている。
あの優しい笑顔も、声も想像できない。
きっと、他のページもこのように見ていて顔をしかめてしまう文字が綴られているのだろう。
だったら、読んでもあまり意味は無いかもしれない。
付箋の付いているページに何か、もっと涼架の気持ちが書いてあることを願いながらページを捲る。

「・・・これは、もしかすると。」

思わず左手で眉間を抑えた。
その体制のまま声を一つ漏らす。
今までの悍ましかった雰囲気は大分薄くなり、読みやすくはなったが今度は二ページに渡って文字が綴ってある。
元から涼架は文字を書くことが好きではあった。
涼架が死ぬ、一か月と二週間二日前。
今度は涼架の日記に一行ずつ目を通した。
ゆっくりと、頭にしっかりインプットするように。
涼架を思い浮かべて、涼架の声で言葉を再生する。
頭を様々なところで使うがために、普通に読むよりも時間はかかるが、涼架の思いだと思えばそれも苦ではなかった。
一行見て判った。
これは、涼架が伝えたかった本当の事なんだと。

私は、どうしても忘れたくない思い出がある。
何かは言えない。
言ったら、消えて行きそうだから。
でも、もう心配いらないかも。
もうすぐ私の魂は消えるから。
消えたらどこに行くんだろうね。
ちょっと楽しみだな。
今の辛い生活よりも絶対にましだよ。
そう断言できる。
何でかな。
怖くないの、私が消えるのも、知らない場所に行くのも怖くないの。
多分、いやきっと私の周りに細やかな太陽がいるからだな。
小さいけど、私に問ったらとても大きい太陽。
有難う。
これ、読んでほしいな。
でも、見せたくないし、どうしたらいいのかな。
最後に悩むのが貴方の事でよかった。
さようなら。
有難う、大好きだったよ。
でも、私のことは気にしないで。
絶対に幸せになって、頑張って生きて。
どんなことがあっても、自分を見失わないで。
私との一生の約束。
君が死ぬまで有効の約束。
さようなら、【石門 康汰】私が、最後に【愛した人】

涼架の本心が書いてあるのが判った。
でも、肝心な本心は最後のほうに集めてあり、前半部分や中央部はどうでも良いことが綴ってあった。
例えば、おにぎりの中の具材で一番好きな物、とか。
最後になるにつれて、大きな丸いしみが多くなっていた。
涼架の、涙。
そして僕の、涙。
二人の涙が混ざり合ってさらに大きな丸を描く。
その涙の跡は、綺麗だと思った。
純粋無垢な気持ちが混ざり合って共鳴して、遠く彼方に去ってゆく。
そしてその思いは、彷徨った最後に涼架の元へ届く。
今度はたっぷり十秒程目を瞑り瞑想に浸った。
涼架はきっと、他殺だ。
この文章は、自殺をする人の文章じゃない。
長年涼架の分を読み続けてきたら判る。
涼架が決めた文章はこんなに色々な所に彷徨ったりしない。
もっと出来るだけ簡潔明瞭に言葉を紡ぐ。
僕はまだ零れそうになる涙を堪えて二人を見た。
やっと発見したパソコンの液晶画面を食い入るように見つめる二人に、僕が考えて導き出した答えを告げる。

「涼架は、殺されたんだ。それで、根回してくれ。」

僕は、驚く二人に白のパソコンを指さして告げた。


59: フレット☆2018/04/02(月) 16:14:43 HOST:fl1-119-244-128-37.ngs.mesh.ad.jp
「何で、ですか。涼ちゃんのノートに書いてあったんですか。」

磨里の問いに僕は
かぶりを振りながら答えた。

「そう断言的なことが書いてある訳じゃないよ。でも、僕には判るんだ。」
「どうして?」
「涼架は、文を書くのが好きだった。涼架の作文はいつも、きっぱりとしていたよ。
それこそ、檀兼的な理由ばかりの、反論の使用のないような作文だった。
でも、このノートに綴られていた言葉は、まったくそうじゃ無かった。」
「断言的じゃない。遠回しってことですか?」
「そうだ。」

涼ちゃんらしく、無い。
そう言って磨里は俯いた。
目には大きな影が燈っている。
あの日、僕が磨里に涼架が好きだと伝えた時のような目だった。
十秒程を要してから磨里が顔を上げた。
そして何も言わず、無言で僕に頷く。
言葉にしなくても、磨里の頷きが同意であるという事が判った。
たった数日会話を交わし、思いを伝え合っただけなのにどうしてか涼架のように僕の中のすべてを洗い出してくれるような感覚が体全身を伝った。
姉妹だからか、それとも―

「・・・あ、これかっ。あるな、履歴。」

僕が再び長い考想に浸ろうとした寸前、沢口の言葉が僕の脳から先程までの考えをシャットアウトした。
磨里と一斉に沢口の方を向く。
置いてあったヒノキの椅子に腰を下ろして僕と磨里の意見の相互に依存している間もパソコンを操作していた沢口が手を止めていた。
そして僕たちのほうを見やり、今までにないくらいの笑顔を見せた。
見つけた、と顔一杯に書いてあった。
それを見て、どうしてか笑みが零れそうになった。
本当はもう、笑うほどの余裕はない。
自分を落ち着かせたくて、無理に笑おうとした。



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【9:24】電柱に乗って。
1: スマル (A.gwf8MHyc)☆2017/04/13(木) 16:55:36 HOST:kd106166024010.ppp-bb.dion.ne.jp
宜しく。
読んでくれたらうれしい。


18: スマル☆2018/01/14(日) 23:38:02 HOST:kd114016074229.ppp-bb.dion.ne.jp

3、誰かのせい

『人間は消耗品である』

『人の時間は無限だが僕の人生は有限なのだ』

『愛は甘美で儚い』

色々な哲学の本を片っ端からぺらぺらと捲る。
放課後は寄り道をしてはならない、という校則を守る気はない。
もし、死んでしまうのならば、話は別だが。

『死んだ後の世界』

そんなもの有る訳がない、もしもあったとしても、それは死者にしかわからないだろう。
そっと本を閉じ棚に戻す。
一応先生が見回りに来ていないか辺りを見渡す。



絵本コーナーに目がいった。
『昔ながらのベストセラー』臭い見出しで人世代分古い絵本が表紙をこちらにし並んでいた。

「さっちゃんって絵本好きなの?」

ボーっとしていたアタシをよそにひーちゃんが話しかけてきた。

「もう驚かせないでよ」
「ぼぅ、としてるのが悪いんでしょ」
「してないよ」
「なにみてたの」
「これ、読んだことない?」
「ううん、見たことないよ、こんな絵本」
 
そっかっていうと、ひーちゃんはあたしの手を引っ張って文具コーナーへ引きずり込んだ。
そしてエメラルドグリーンに近い青の絵具を差し出して言った。

「これはさっちゃんだよ、キレイでしょ」

綺麗だった、でもそれと同時に少し不気味だった。
なんだかもう一人のあたしがいるみたいでさっちゃんが持ってた絵具は綺麗で繊細で、どこまでも無機質だった。

「じゃあ、こっちはひーちゃんだね」

アタシは細く笑ってから、オレンジに近い、ひまわり色を渡した。

「ひーちゃんのひは―――――――――――――…………


……――――――もう、思い出したくないな。
何年も前の事を思い出しながら目の前にある絵本を開く。
何となく懐かしい予感と嫌な予感は的中して、昔母が読んでくれたそれだった。

「……ばすにのるとすぐにとんねんるがみえてきました。
 しろいとあおいひかりのながいながいとんねるをぬけると……」

『そこは、ししゃのくにでした』
「そこはししゃのくにでした」

次のページの内容は覚えている。
その前のページも、どこのページの絵も文字も全部覚えていた。

汚れのない真っ白い、小型のバスに乗って、運転手さんに自分の好きな花を渡せば、他の乗客は皆降りて、死者の国に連れて行ってくれる。
不幸な死を迎えた子供たちだけのバスは死者の国に行き、そこにいる魔女に願いを叶えてもらえる。


絵本の内容を読み返し、息を吐いた。
今から全部を始めよう。
全部がはじまる。
ここまでが私の話。


『とんねるをぬけるとそこはししゃのくにでした』


19: スマル☆2018/01/24(水) 19:29:01 HOST:kd114016074229.ppp-bb.dion.ne.jp

4、君の字

珍しく課題を終わらせた僕は、ため息を吐いた。
鞄の中に入れたあの手紙が気になって仕方ないが、開くのは億劫だ。
どうにかなかった事にできないかと、課題を終わらせてみたがどうにもならないので、封をちぎった。
こう言う時鋏を使わないといけなかったといまさら思った。

『清水くんへ』

一枚目にはそれだけ。
これは間違いなく 白石小夜の字だ。
丸くてバランスの取れていない不格好な文字。
なんだか懐かしかった。
二枚目を見ようとする思考と、それを止める理性と、見たいと思う僕と、見たくないという感情が、ごちゃごちゃになった。

そのままフリーズ。
何分か経って、ようやく決心がつき、そっと二枚目を開く。


『あたし。
 清水君のこと、好きだった。
 
 馬鹿みたいだね。
 馬鹿だね。
 
 あと、悪いんだけどさ、美術室のあたしの道具の片付けお願いしてもいいかな。』


なんてことだ。
死んでしまった人からの手紙で、
しかも死んだ人が初恋の人の幽霊が僕の事を好きと言ってくれることが
こんなにも幸せなんて知らなかった。
そんなことに素直に嬉しくて涙が出た。

悲しくなんて無いのに涙が出だ。
僕は人生で初めて、うれし涙というものを知って、それを教えてくれたことが白石小夜だったこともうれしくて仕方がなかった。

彼女が死んでしまっていることなんて関係ない、そんな事なんてどうでもいい。
白石小夜が僕の事を好きでいてくれて僕が白石小夜を愛していればそれ以上に重大なことなんてどこにも存在しない。

こんなに幸せでいいのか分からないけど、こんな人間が幸せになんてなっちゃいけないけど、これ以上の幸せはない。

「白石、君は自分が死んでしまってると思ってる?
 自分はもうこの世にはいないと思ってる?
 残念ながらそれは間違いだ。
 君はこの世界に間違いなく存在してる。
 もし死んでしまうと君が言うのなら僕はそれを止めに行くよ」

それだけ言って僕はベットに潜り込んだ。
僕は世界で一番幸せ者の夜だった。




20: スマル☆2018/01/25(木) 17:34:47 HOST:kd114016074229.ppp-bb.dion.ne.jp

5、紫の花

「すみません、コレください」

女性にしては少し低い声で返事をしながら店員さんがパタパタとスリッパを鳴らしながら向かってくる。
品種をちらっと見て、少しさびしそうな顔をした。
その店員は間違いなく秋宮香ノ夏だった。

ここで、バイトしてたんだ。
いや、本当は知っていた、けど現実に働いてる姿を見ない限りそれが事実なのかなんてわかりやしないから。
僕は感激した。

「香ノ夏……」

ぱっと顔を上げやっと僕に気が付いたらしく、一瞬息を吸って止まった。
僕もびくっとして止まる。
同じタイミングで息をついてから彼女が話し始める。

「あぁ、こーき……か。
 こっち来てたんだ、連絡くらいしなね」

僕はごめんというと他の言葉を失ってしまい口を詰むんだ。
ふたりして気恥ずかしいような懐かしいような嬉しいようなさみしいような、パンドラの箱を開けてしまったかのような空気になってしまった。

「あきちゃん!こんにちはぁ、結婚式用のお花なんだけど頼めるかしらー!?」

入口の方でおばちゃんが叫んだ。

「笹渕さん、今行きますねー」

花屋の常客のようで香ノ夏はパタパタと僕の元を離れた。
彼女が半径1メートルから離れるとさっきまでの空気の結晶は壊れた。
パリンと音を立てて、崩れた。

僕も一応客のつもりだったのだけど、しかも新規の。
香ノ夏は笹渕さんとおしゃべりをしながらショーケースにある華やかな花を素早く選び抜き、3分とも立たぬうちに花束を作り上げた。

「リボンの色はいつものでいいかな
 メッセージカードもいるよね、甥っ子の結婚式か
 めでたいね、セージカードおまけしますね」

信じられないような光景が目の前で繰り広げられて僕は唖然とする。
なんだか夢を見ている気分だった。

「ありがとうございました、またのお越しをお待ちしております」

「ありがとねぇ、またくるねぇ」

ぱたぱたぱた……こっちにくる。
彼女は少し照れくさそうにして笑った。
その笑顔だけは何にも前と変わってなくて安心して、僕も笑顔がこぼれた。

「今日、同窓会だから、その前に花添えてから行こうと思って」

彼女はそっかと笑いすべてを悟ったように首をかしげた。

「行くの忘れてたな、皆にも会いたいけど今日は店番だし、同窓会は今日だけじゃないしね」

それから僕らは少しだけ他愛のない話をした。
お互いの心境と学業の事、友人の事と季節の話をして話が尽きたから、白石小夜の事も話した。

「あれから二年くらいだね」

僕は白石の話をされるとうなずくことしか出来なかった。

「懐かしいね」

うん。



21: スマル☆2018/01/25(木) 17:51:59 HOST:kd114016074229.ppp-bb.dion.ne.jp
 

5、紫の花

「すみません、コレください」

女性にしては少し低い声で返事をしながら店員さんがパタパタとスリッパを鳴らしながら向かってくる。
品種をちらっと見て、少しさびしそうな顔をした。
その店員は間違いなく秋宮香ノ夏だった。

ここで、バイトしてたんだ。
いや、本当は知っていた、けど現実に働いてる姿を見ない限りそれが事実なのかなんてわかりやしないから。
僕は感激した。

「香ノ夏……」

ぱっと顔を上げやっと僕に気が付いたらしく、一瞬息を吸って止まった。
僕もびくっとして止まる。
同じタイミングで息をついてから彼女が話し始める。

「あぁ、こーき……か。
 こっち来てたんだ、連絡くらいしなね」

僕はごめんというと他の言葉を失ってしまい口を詰むんだ。
ふたりして気恥ずかしいような懐かしいような嬉しいようなさみしいような、パンドラの箱を開けてしまったかのような空気になってしまった。

「あきちゃん!こんにちはぁ、結婚式用のお花なんだけど頼めるかしらー!?」

入口の方でおばちゃんが叫んだ。

「笹渕さん、今行きますねー」

花屋の常客のようで香ノ夏はパタパタと僕の元を離れた。
彼女が半径1メートルから離れるとさっきまでの空気の結晶は壊れた。
パリンと音を立てて、崩れた。

僕も一応客のつもりだったのだけど、しかも新規の。
香ノ夏は笹渕さんとおしゃべりをしながらショーケースにある華やかな花を素早く選び抜き、3分とも立たぬうちに花束を作り上げた。

「リボンの色はいつものでいいかな
 メッセージカードもいるよね、甥っ子の結婚式か
 めでたいね、セージカードおまけしますね」

信じられないような光景が目の前で繰り広げられて僕は唖然とする。
なんだか夢を見ている気分だった。

「ありがとうございました、またのお越しをお待ちしております」

「ありがとねぇ、またくるねぇ」

ぱたぱたぱた……こっちにくる。
彼女は少し照れくさそうにして笑った。
その笑顔だけは何にも前と変わってなくて安心して、僕も笑顔がこぼれた。

「今日、同窓会だから、その前に花添えてから行こうと思って」

彼女はそっかと笑いすべてを悟ったように首をかしげた。

「行くの忘れてたな、皆にも会いたいけど今日は店番だし、同窓会は今日だけじゃないしね」

それから僕らは少しだけ他愛のない話をした。
お互いの心境と学業の事、友人の事と季節の話をして話が尽きたから、白石小夜の事も話した。

「あれから二年くらいだね」

僕は白石の話をされるとうなずくことしか出来なかった。

「懐かしいね」

うん。

「悠君は元気かな」

うん。

「四人でいたあの時間が一番楽しかったよね」

うん。

「まだ後悔してる?」

僕は返事が出来なかった。
ただ彼女の顔も見れずに白石の好きだったあの花をずっと見つめていた。
返事なんてできなかった。

「あたしばっかり喋ってる、何か喋って、可笑しな人に見えるじゃない」

僕は仕方なく彼女の目を見た。
茶色がかった目はまっすぐ僕を見ている。
僕はやっとの事で口をひらいた。

「……君の話かたは嫌いだ、白石がいるみたいだ。
 さっきの笹渕さんと喋る風にしなよ、その方が似合ってる」

香ノ夏は首をかしげて笑って魔女の様に口を開く。
僕の口の重さと反比例しているかのように軽々と。

「後悔は、してるの?」

彼女はいつもそうだ、白石に似せているのかどうかなんて考えたくもないけどふぉこと泣くすべてが白石なのだ。
余裕そうなのに自分が一番その後悔に苦しんでいるようなのに。
(省略されました・・全てを読むにはこちらを押してください)

22: 雨 悠希☆2018/01/28(日) 01:14:55 HOST:61-22-192-172.rev.home.ne.jp
とても面白いのと、読みやすかったです。続きを楽しみにしています。表現の仕方が、分かりやすいです。

23: スマル☆2018/02/18(日) 00:41:28 HOST:kd114016074229.ppp-bb.dion.ne.jp

第二章 死者の国で幽霊と出会った話。

1、君を探しに

「悠君」

中学入学から7日目。
終会が終わり、数人が廊下へ出た頃、クラスの女子が話しかけてきた。
初対面ではないが会話という会話をした事が無い子で、下の名前で話しかけるのは少し違和感があった。
ニコリともせずに、いや、少し笑っているのか。
よく分からないが、とりあえず、小さな声で、何、と言ってみた。

「すこし、聞きたい事があって。
 ヒマワリの色って何色かな」

「何それ。何で俺に聞くの」

すると彼女は、ニコッとして、笑った。
ニコッとして笑うという表現はおかしいのかもしれないが、ニコッとして笑ったのだ。
そして魔女の様に口を開く。

「まあ、それだけ。ばいばい」

意味がわからない。
ヒマワリの色?
オレンジだろ。
ああ、もう何なんだ。

「なあ、丘野君」

今度はクラスの男子、確か清水、が話しかけてきた。
少し気まずそうに、初対面の人と話すように。
初対面だけどさ。

「なに」

少しイライラしていたからか、強めに答えてしまった。
けど彼はへへと笑いながら話を続ける。

「さっき白石に、ひまわりの色、聞かれた?」

そうだ、あの子、白石だ。
白石小夜。
にしても、何だこいつ。

「ああ。聞かれたよ、答える前にさっさと帰ったけど」

そいつはアハハと笑って、お前もかといった。

「何かの呪いかけられたみたいで怖かったんだ。
 仲間がいて良かった」

「そんな仲間ごめんだよ」

そう言って俺も笑った。
これが、白石と幸樹との出会い。
なんとなくどの空気にもなごめる幸樹とはすぐに仲良くなった。
親友と呼ぶほどになったのはあの日を過ぎてからだ。

最初はわけのわからない事を言い出したと思ったけど、アイツはやっぱり頑固で、白石の虜だった。
どんなに否定しても、否定されてくれない面倒くさい奴。
けど、面白い。

アイツに会って俺の人生面白い事ばかりだ。
最高の旅もできた。
わけのわからないの先には最高があった。

「俺、白石に会いに行く。悠お前も来るだろ」

何で俺を誘うのか分からないことだらけだけど、頷けたのは。
お前を信じてたからだ。

なんて。
昔の話を誰かにするのは苦手だ。
昔って言っても数年前だが。
誰も信じてくれないような不思議な旅に俺は巻き込まれた。

たのしかった。
ただ、不甲斐なかった。




24: スマル☆2018/03/14(水) 19:00:11 HOST:kd106154019110.au-net.ne.jp

2、絵本の国

白石からの手紙を受け取った日の晩。
月が綺麗な冬の夜に、ボクは目を覚ました。
時計はもう午後11時を過ぎて、しんとしている。
嫌な気配がする。

「……白石?」

返事はなかった。
しかし、ふわりと、心が浮き、意識が朦朧とし始める。
なんの呪文か知らないが、僕の名前を白石が呼ぶ。
その声、やめてくれないか。
頭は痛くなる一方で、ベッドから這うように転げ落ちた。
駄目だ、痛い。頭も、膝も。
部屋の中の胡散臭い雰囲気に酔ってしまいそうなので、僕はやっとの思いで廊下に出た。
そのまま背中を押されるようにして、裸足で外に出された。
やっぱり月は綺麗だった。
そこまでは覚えている。
僕はあまりの頭痛にその場に倒れこんだ。



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【10:4】• °*男性歌い手さん* • °
1: そらるさんのぱんつになりたい☆2017/11/21(火) 21:04:40 HOST:softbank126161136175.bbtec.net
After the Rein[そらる×まふまふ]

の恋愛小説を描いていきます( ^ω^)
もしかしたら他の歌い手さんとか配信者さんとかでも描くかもです…!
名前についてはあまり気にしないで()

作者はそらるさん寄りの箱推しでございまする( ^ω^)


2: そらるさんのぱんつになりたい☆2017/11/21(火) 21:08:16 HOST:softbank126161136175.bbtec.net
※亀更新でございます。
今週は特に、テスト週間なのでゆっっっっくりな更新になります…。それでは作者は夢の中へと行ってきまふ…(-_-)oO


3: rubyi*るびぃ (yaY4zarJ.M)☆2018/02/26(月) 22:11:15 HOST:softbank126224159220.bbtec.net
ただいま()

4: そらるさんのぱんつになりたい☆2018/02/26(月) 22:36:12 HOST:softbank126224159220.bbtec.net
ああ名前名前()

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