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【1:23】電柱に乗って。
1: スマル (A.gwf8MHyc)☆2017/04/13(木) 16:55:36 HOST:kd106166024010.ppp-bb.dion.ne.jp
宜しく。
読んでくれたらうれしい。


17: スマル☆2017/11/29(水) 22:20:10 HOST:kd114016074229.ppp-bb.dion.ne.jp
2、枯れた花瓶

「清水君……?」

声が聞こえた。階段の下の方から聞き覚えのある声が。
下の方を見ると、ショートカットの女子生徒がいた。
それと同時に白石は消えた。
秋宮 香ノ夏。寒いねぇ、と片手にゴミ箱を持ち、白い息を吐いた。

「泣いてたの?」

なんでそうなるんだ。

「泣いてなんかいない」

秋宮は笑った。

「そっか、じゃあ心が泣いてるんだね」

何だ、それ。
思わず笑った、秋宮につられて笑ったのか、あ君あの言葉が突拍子もないからかよく分からないけど、笑った。
久しぶりに笑ったと、自分でも思った。

「清水君が笑ったの、久しぶりに見たよ」

白石が死ぬ前まではたくさん笑ってたのに、とは彼女は言わない。
少し寂しそうにそう言って、寂しそうに少し笑った。
そのままゴミを捨てて、帰ってゆく。

何だったのだ。
彼女はおかしい、面白いほどに。
小柄な体なのに、運動神経は良い、それなのになぜか美術部員。
白石みたいだ。
あの二人がよく話していたのを覚えている、友達だったのかどうかなんてよく知らない。
彼女はあまり自分の話をしなかったから。
秋宮と話すのはこれが初めてではなかったが、会話をするのは数えるほどだ。
接点がない。

そろそろ掃除の終了時間か、僕はからのごみ箱を持って教室へ向かう。
そこで初めて気づいた。
何で秋宮は態々遠回りしてまでこんな所に来たんだ。

風が強く吹いた。
寒い、早く教室へ戻らないと。
速足で玄関へ向かう。
靴を履きかえようと思って、気付いた。

……何だよ、これ。

一枚の封筒が汚い内履きの上にちょこんと乗っている。
丁寧に、封にはハートのシールがはっている。
ため息を一つこぼし、なんとなく裏を返すと名前が。

『− 白石 小夜 −』

何なんだよ、今日は。



18: スマル☆2018/01/14(日) 23:38:02 HOST:kd114016074229.ppp-bb.dion.ne.jp

3、誰かのせい

『人間は消耗品である』

『人の時間は無限だが僕の人生は有限なのだ』

『愛は甘美で儚い』

色々な哲学の本を片っ端からぺらぺらと捲る。
放課後は寄り道をしてはならない、という校則を守る気はない。
もし、死んでしまうのならば、話は別だが。

『死んだ後の世界』

そんなもの有る訳がない、もしもあったとしても、それは死者にしかわからないだろう。
そっと本を閉じ棚に戻す。
一応先生が見回りに来ていないか辺りを見渡す。



絵本コーナーに目がいった。
『昔ながらのベストセラー』臭い見出しで人世代分古い絵本が表紙をこちらにし並んでいた。

「さっちゃんって絵本好きなの?」

ボーっとしていたアタシをよそにひーちゃんが話しかけてきた。

「もう驚かせないでよ」
「ぼぅ、としてるのが悪いんでしょ」
「してないよ」
「なにみてたの」
「これ、読んだことない?」
「ううん、見たことないよ、こんな絵本」
 
そっかっていうと、ひーちゃんはあたしの手を引っ張って文具コーナーへ引きずり込んだ。
そしてエメラルドグリーンに近い青の絵具を差し出して言った。

「これはさっちゃんだよ、キレイでしょ」

綺麗だった、でもそれと同時に少し不気味だった。
なんだかもう一人のあたしがいるみたいでさっちゃんが持ってた絵具は綺麗で繊細で、どこまでも無機質だった。

「じゃあ、こっちはひーちゃんだね」

アタシは細く笑ってから、オレンジに近い、ひまわり色を渡した。

「ひーちゃんのひは―――――――――――――…………


……――――――もう、思い出したくないな。
何年も前の事を思い出しながら目の前にある絵本を開く。
何となく懐かしい予感と嫌な予感は的中して、昔母が読んでくれたそれだった。

「……ばすにのるとすぐにとんねんるがみえてきました。
 しろいとあおいひかりのながいながいとんねるをぬけると……」

『そこは、ししゃのくにでした』
「そこはししゃのくにでした」

次のページの内容は覚えている。
その前のページも、どこのページの絵も文字も全部覚えていた。

汚れのない真っ白い、小型のバスに乗って、運転手さんに自分の好きな花を渡せば、他の乗客は皆降りて、死者の国に連れて行ってくれる。
不幸な死を迎えた子供たちだけのバスは死者の国に行き、そこにいる魔女に願いを叶えてもらえる。


絵本の内容を読み返し、息を吐いた。
今から全部を始めよう。
全部がはじまる。
ここまでが私の話。


『とんねるをぬけるとそこはししゃのくにでした』


19: スマル☆2018/01/24(水) 19:29:01 HOST:kd114016074229.ppp-bb.dion.ne.jp

4、君の字

珍しく課題を終わらせた僕は、ため息を吐いた。
鞄の中に入れたあの手紙が気になって仕方ないが、開くのは億劫だ。
どうにかなかった事にできないかと、課題を終わらせてみたがどうにもならないので、封をちぎった。
こう言う時鋏を使わないといけなかったといまさら思った。

『清水くんへ』

一枚目にはそれだけ。
これは間違いなく 白石小夜の字だ。
丸くてバランスの取れていない不格好な文字。
なんだか懐かしかった。
二枚目を見ようとする思考と、それを止める理性と、見たいと思う僕と、見たくないという感情が、ごちゃごちゃになった。

そのままフリーズ。
何分か経って、ようやく決心がつき、そっと二枚目を開く。


『あたし。
 清水君のこと、好きだった。
 
 馬鹿みたいだね。
 馬鹿だね。
 
 あと、悪いんだけどさ、美術室のあたしの道具の片付けお願いしてもいいかな。』


なんてことだ。
死んでしまった人からの手紙で、
しかも死んだ人が初恋の人の幽霊が僕の事を好きと言ってくれることが
こんなにも幸せなんて知らなかった。
そんなことに素直に嬉しくて涙が出た。

悲しくなんて無いのに涙が出だ。
僕は人生で初めて、うれし涙というものを知って、それを教えてくれたことが白石小夜だったこともうれしくて仕方がなかった。

彼女が死んでしまっていることなんて関係ない、そんな事なんてどうでもいい。
白石小夜が僕の事を好きでいてくれて僕が白石小夜を愛していればそれ以上に重大なことなんてどこにも存在しない。

こんなに幸せでいいのか分からないけど、こんな人間が幸せになんてなっちゃいけないけど、これ以上の幸せはない。

「白石、君は自分が死んでしまってると思ってる?
 自分はもうこの世にはいないと思ってる?
 残念ながらそれは間違いだ。
 君はこの世界に間違いなく存在してる。
 もし死んでしまうと君が言うのなら僕はそれを止めに行くよ」

それだけ言って僕はベットに潜り込んだ。
僕は世界で一番幸せ者の夜だった。




20: スマル☆2018/01/25(木) 17:34:47 HOST:kd114016074229.ppp-bb.dion.ne.jp

5、紫の花

「すみません、コレください」

女性にしては少し低い声で返事をしながら店員さんがパタパタとスリッパを鳴らしながら向かってくる。
品種をちらっと見て、少しさびしそうな顔をした。
その店員は間違いなく秋宮香ノ夏だった。

ここで、バイトしてたんだ。
いや、本当は知っていた、けど現実に働いてる姿を見ない限りそれが事実なのかなんてわかりやしないから。
僕は感激した。

「香ノ夏……」

ぱっと顔を上げやっと僕に気が付いたらしく、一瞬息を吸って止まった。
僕もびくっとして止まる。
同じタイミングで息をついてから彼女が話し始める。

「あぁ、こーき……か。
 こっち来てたんだ、連絡くらいしなね」

僕はごめんというと他の言葉を失ってしまい口を詰むんだ。
ふたりして気恥ずかしいような懐かしいような嬉しいようなさみしいような、パンドラの箱を開けてしまったかのような空気になってしまった。

「あきちゃん!こんにちはぁ、結婚式用のお花なんだけど頼めるかしらー!?」

入口の方でおばちゃんが叫んだ。

「笹渕さん、今行きますねー」

花屋の常客のようで香ノ夏はパタパタと僕の元を離れた。
彼女が半径1メートルから離れるとさっきまでの空気の結晶は壊れた。
パリンと音を立てて、崩れた。

僕も一応客のつもりだったのだけど、しかも新規の。
香ノ夏は笹渕さんとおしゃべりをしながらショーケースにある華やかな花を素早く選び抜き、3分とも立たぬうちに花束を作り上げた。

「リボンの色はいつものでいいかな
 メッセージカードもいるよね、甥っ子の結婚式か
 めでたいね、セージカードおまけしますね」

信じられないような光景が目の前で繰り広げられて僕は唖然とする。
なんだか夢を見ている気分だった。

「ありがとうございました、またのお越しをお待ちしております」

「ありがとねぇ、またくるねぇ」

ぱたぱたぱた……こっちにくる。
彼女は少し照れくさそうにして笑った。
その笑顔だけは何にも前と変わってなくて安心して、僕も笑顔がこぼれた。

「今日、同窓会だから、その前に花添えてから行こうと思って」

彼女はそっかと笑いすべてを悟ったように首をかしげた。

「行くの忘れてたな、皆にも会いたいけど今日は店番だし、同窓会は今日だけじゃないしね」

それから僕らは少しだけ他愛のない話をした。
お互いの心境と学業の事、友人の事と季節の話をして話が尽きたから、白石小夜の事も話した。

「あれから二年くらいだね」

僕は白石の話をされるとうなずくことしか出来なかった。

「懐かしいね」

うん。



21: スマル☆2018/01/25(木) 17:51:59 HOST:kd114016074229.ppp-bb.dion.ne.jp
 

5、紫の花

「すみません、コレください」

女性にしては少し低い声で返事をしながら店員さんがパタパタとスリッパを鳴らしながら向かってくる。
品種をちらっと見て、少しさびしそうな顔をした。
その店員は間違いなく秋宮香ノ夏だった。

ここで、バイトしてたんだ。
いや、本当は知っていた、けど現実に働いてる姿を見ない限りそれが事実なのかなんてわかりやしないから。
僕は感激した。

「香ノ夏……」

ぱっと顔を上げやっと僕に気が付いたらしく、一瞬息を吸って止まった。
僕もびくっとして止まる。
同じタイミングで息をついてから彼女が話し始める。

「あぁ、こーき……か。
 こっち来てたんだ、連絡くらいしなね」

僕はごめんというと他の言葉を失ってしまい口を詰むんだ。
ふたりして気恥ずかしいような懐かしいような嬉しいようなさみしいような、パンドラの箱を開けてしまったかのような空気になってしまった。

「あきちゃん!こんにちはぁ、結婚式用のお花なんだけど頼めるかしらー!?」

入口の方でおばちゃんが叫んだ。

「笹渕さん、今行きますねー」

花屋の常客のようで香ノ夏はパタパタと僕の元を離れた。
彼女が半径1メートルから離れるとさっきまでの空気の結晶は壊れた。
パリンと音を立てて、崩れた。

僕も一応客のつもりだったのだけど、しかも新規の。
香ノ夏は笹渕さんとおしゃべりをしながらショーケースにある華やかな花を素早く選び抜き、3分とも立たぬうちに花束を作り上げた。

「リボンの色はいつものでいいかな
 メッセージカードもいるよね、甥っ子の結婚式か
 めでたいね、セージカードおまけしますね」

信じられないような光景が目の前で繰り広げられて僕は唖然とする。
なんだか夢を見ている気分だった。

「ありがとうございました、またのお越しをお待ちしております」

「ありがとねぇ、またくるねぇ」

ぱたぱたぱた……こっちにくる。
彼女は少し照れくさそうにして笑った。
その笑顔だけは何にも前と変わってなくて安心して、僕も笑顔がこぼれた。

「今日、同窓会だから、その前に花添えてから行こうと思って」

彼女はそっかと笑いすべてを悟ったように首をかしげた。

「行くの忘れてたな、皆にも会いたいけど今日は店番だし、同窓会は今日だけじゃないしね」

それから僕らは少しだけ他愛のない話をした。
お互いの心境と学業の事、友人の事と季節の話をして話が尽きたから、白石小夜の事も話した。

「あれから二年くらいだね」

僕は白石の話をされるとうなずくことしか出来なかった。

「懐かしいね」

うん。

「悠君は元気かな」

うん。

「四人でいたあの時間が一番楽しかったよね」

うん。

「まだ後悔してる?」

僕は返事が出来なかった。
ただ彼女の顔も見れずに白石の好きだったあの花をずっと見つめていた。
返事なんてできなかった。

「あたしばっかり喋ってる、何か喋って、可笑しな人に見えるじゃない」

僕は仕方なく彼女の目を見た。
茶色がかった目はまっすぐ僕を見ている。
僕はやっとの事で口をひらいた。

「……君の話かたは嫌いだ、白石がいるみたいだ。
 さっきの笹渕さんと喋る風にしなよ、その方が似合ってる」

香ノ夏は首をかしげて笑って魔女の様に口を開く。
僕の口の重さと反比例しているかのように軽々と。

「後悔は、してるの?」

彼女はいつもそうだ、白石に似せているのかどうかなんて考えたくもないけどふぉこと泣くすべてが白石なのだ。
余裕そうなのに自分が一番その後悔に苦しんでいるようなのに。
(省略されました・・全てを読むにはこちらを押してください)

22: 雨 悠希☆2018/01/28(日) 01:14:55 HOST:61-22-192-172.rev.home.ne.jp
とても面白いのと、読みやすかったです。続きを楽しみにしています。表現の仕方が、分かりやすいです。

23: スマル☆2018/02/18(日) 00:41:28 HOST:kd114016074229.ppp-bb.dion.ne.jp

第二章 死者の国で幽霊と出会った話。

1、君を探しに

「悠君」

中学入学から7日目。
終会が終わり、数人が廊下へ出た頃、クラスの女子が話しかけてきた。
初対面ではないが会話という会話をした事が無い子で、下の名前で話しかけるのは少し違和感があった。
ニコリともせずに、いや、少し笑っているのか。
よく分からないが、とりあえず、小さな声で、何、と言ってみた。

「すこし、聞きたい事があって。
 ヒマワリの色って何色かな」

「何それ。何で俺に聞くの」

すると彼女は、ニコッとして、笑った。
ニコッとして笑うという表現はおかしいのかもしれないが、ニコッとして笑ったのだ。
そして魔女の様に口を開く。

「まあ、それだけ。ばいばい」

意味がわからない。
ヒマワリの色?
オレンジだろ。
ああ、もう何なんだ。

「なあ、丘野君」

今度はクラスの男子、確か清水、が話しかけてきた。
少し気まずそうに、初対面の人と話すように。
初対面だけどさ。

「なに」

少しイライラしていたからか、強めに答えてしまった。
けど彼はへへと笑いながら話を続ける。

「さっき白石に、ひまわりの色、聞かれた?」

そうだ、あの子、白石だ。
白石小夜。
にしても、何だこいつ。

「ああ。聞かれたよ、答える前にさっさと帰ったけど」

そいつはアハハと笑って、お前もかといった。

「何かの呪いかけられたみたいで怖かったんだ。
 仲間がいて良かった」

「そんな仲間ごめんだよ」

そう言って俺も笑った。
これが、白石と幸樹との出会い。
なんとなくどの空気にもなごめる幸樹とはすぐに仲良くなった。
親友と呼ぶほどになったのはあの日を過ぎてからだ。

最初はわけのわからない事を言い出したと思ったけど、アイツはやっぱり頑固で、白石の虜だった。
どんなに否定しても、否定されてくれない面倒くさい奴。
けど、面白い。

アイツに会って俺の人生面白い事ばかりだ。
最高の旅もできた。
わけのわからないの先には最高があった。

「俺、白石に会いに行く。悠お前も来るだろ」

何で俺を誘うのか分からないことだらけだけど、頷けたのは。
お前を信じてたからだ。

なんて。
昔の話を誰かにするのは苦手だ。
昔って言っても数年前だが。
誰も信じてくれないような不思議な旅に俺は巻き込まれた。

たのしかった。
ただ、不甲斐なかった。




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【2:35】交わした約束の有効期限
1: フレット☆2017/05/15(月) 11:41:56 HOST:fl1-119-244-131-16.ngs.mesh.ad.jp
久しぶりに書いてみたくなったので、書いてみようかなと思います。

―交わした約束の有効期限―


誰が好きとか、誰と誰が付き合っているとか、誰は誰が好きだとか。
そんな話題が僕の周りに出始めていた。
時に、「石門君は?」
なんて聞いてくることもある。
僕は、正直どうでもいいと思うのだ、そういうことは。

「いない」

そう答えれば、相手は必ず、「ふぅん」
と僕に興味を失う。
恋とか、小さいころはあこがれてたかもしれない。
ただ、今はどうだっていいのだ。

「お前、悲しいやつだな〜 青春楽しめよ?」

なんて言われたこともある。
僕は、青春とかどうでもいいし。
ていうか。
お前だって彼女とかいないだろうがっての。

「青春だぞ?」
「青春ってなんだよ」
「・・・・」

そんな会話も常習犯。
僕は、まったく興味がないのである。
この世界の恋というものに。



「沢口くーん!」
「キャーッ!今、手振ってくれたよね?!」

帰り際、廊下でたびたび女子の歓声を耳にする。
何が楽しいのだろうか。
あの大勢の女子たちは、あいつに恋をしているのだろうか。
可愛そうに。
あいつが選ぶのは、一人だけなのに。
そもそも、あの中から選ぶとは限らないのに。

沢口 抄黄 さわぐちしょうき

僕も、知っている。
いや、こんな僕でさえも知っている。
そう言ったほうがいいか。
ルックスは、いいのではないかと思う。
あいつみたいだったら、青春楽しめとか言われないのだろうか。
言われないよな。
むしろ、分けろとか言われてそうだ。
青春を分けろって、なんだそれ。
自分で考えておきながら、バカらしくて笑ってしまう。

ただ、思うことがある。

「あんな風だったら、もう少し。生きることも楽しかったのだろうか」

女子の歓声も聞こえない静かな廊下で呟いた。


29: フレット☆2018/02/04(日) 00:20:25 HOST:fl1-119-244-130-111.ngs.mesh.ad.jp
いいよ、なんてどうして簡単に打ってしまったのだろう?
今更考えを巡らせたところで何か現状が変わるわけでもない。
やっぱり止めよう。
そう打つことも可能ではあった。
しかし、無理だと思った。
だから現状は何も変わらない。
いいよ、と打ったのが自分の考え、本心であるとは到底思えなかった。
正確には思いたくなかった、といった方がいいのかもしれない。
凉架がこの世界にいない寂しさや、自分の無力さで凉架を無くしてしまった。
しかし、簡単に復讐を認めてしまった。
それは僕のどこかに、沢口と同じ気持ちがあるのかもしれない。


30: 青葉。.:*・゜☆2018/02/04(日) 15:49:31 HOST:pc10208.chukai.ne.jp
(神ω神)
やべぇ!!!
BL書いてる人ですよね?
ハイキューの.。゚+.(*''*)゚+.゚
どっちも頑張れっ♡


31: フレット☆2018/02/04(日) 16:33:55 HOST:fl1-119-244-130-111.ngs.mesh.ad.jp
青葉さん、有り難うございます。
そうです、ハイキューで書いてました。
すぐ荒らされましたけど・・・。
更新頑張ります!

もし、自分がもっと強かったのなら。
自分がもっと大きかったのなら。
何度そう考えただろうか。
凉架がこの世から消えて、信じられずに疑ったまま終わった葬式。
棺の中から凉架が笑顔で僕に笑うのではないか。
そうしたら僕はあえて驚かないでおこう。
そうしたら凉架、どうするかな。
子供のような思考で、それでもちゃんと涙を流しながら、凉架を見送った。
凉架の友達も沢山来ていた。
その中には勿論僕の知っている人もいた。
しかし誰一人として声をかけようとも思わなかった。
僕に声がかかることも無かった。
昔と言いがたい昔。
僕にとっては遠い昔。
昔から引き剥がされるように机の上のバイブが鳴った。

「明日、放課後駅で待ってて」

展開が進んでいく。
もう僕が何を言ったところで無意味だろう。
沢口に考えはもうすでに僕には止められない。
止められるとしたら、凉架だけだ。

沢口の夢にでも凉架が出てきて止めてくれることを願って眠りについた。


僕の願いは凉架に届かなかったらしく、予定通りに沢口が駅に待っていた。
階段をかけ上がった僕の息は耐え絶えだった。
沢口を一度凝視してから、耐え絶えだった息を飲んだ。

「ひぅっ!?」

声とも似つかぬ声を出して、沢口のすぐ右に目を向けた。
見たことのない制服を着ていた。
毛先が肩にほんの少し着いている金色にも見える茶色の髪。
白いベストに濃紺のスカート。


32: フレット☆2018/02/05(月) 23:56:18 HOST:fl1-119-244-130-111.ngs.mesh.ad.jp
白色のソックス、黒の靴。
髪色を除けばごく普通の学生だった。
しかし僕は、そんな彼女から目が離せなかった。
今目の前にいるのは、何時だったか僕が駅の改札口で見かけた、凉架にそっくりな彼女だったからだ。
最初は沢口の彼女かと思った。
こんな大切なときに彼女を連れてくるなんてどうかしてる、と思っていたのだ。
しかし、彼女の姿を改めてしっかり認識してしまえば、沢口と彼女がそんな関係ではないことは見てわかる。
それに、沢口は凉架が好きなはずだ。
それなのに彼女なんてつくったら、もし本当の彼女だったとしても、凉架の名前を出して怒っただろう。
それも際限はしっかり考えただろうが。
学校の風紀を乱す訳にも、大勢の前で怒りの声をあげる訳にも、いかなかったから。
凉架と、約束したから。
その約束に有効期限があった訳ではない。
しかし凉架がいなくなったその日から僕は必然的に、約束を守っていた。
凉架の中では、自分。もしくは二人の内どちらかが死ぬまで、が有効期限だったかもしれない。
しかし、今の僕が思う有効期限は、最後に残ったどちらかが死んでしまうまで。
といっても凉架は何の約束もしていないから、僕が消えたらそこで終わりだったのだろうが。

「えーっと」

何も言わなくなった僕を現実に戻してくれたのは彼女の一声だった。

「しっかりしろよ」
「悪い」

二人に謝りながら体を起こし背筋を伸ばす。

「私は、磨里です。高橋磨里。高橋凉架の、妹です」
「え」

最後は小さくなりながらも、最後まで話してくれた。
しかし僕は衝撃的過ぎて、もう一度凉架の妹。磨里・・さんを凝視した。
だから、似ていると思ったのか。
駅に響くあアナウンスの音が、新たな始まりを予感させた。


33: フレット☆2018/02/07(水) 21:54:14 HOST:fl1-119-244-128-37.ngs.mesh.ad.jp
アナウンスを聞きながら尋ねた。  

「磨里・・さんでいいのかな?」

どう呼んでいいのか判らずに確認をとった。
妹、ということは呼び捨てでもいいような気がしたが、もし彼女が不満を抱いてしまったら困る。
沢口が一度でも手本として呼んでくれたら良かったのだが、残念ながらそんな機会は無かった。

「あ、えっと。呼び捨てで、良いです」

やはりこんな質問には慣れていないのか、濃紺のスカートを小さい手で握りながら、歯切れ悪く答えてくれた。
僕は答えが反ってきただけで安心した。
一応確認をとっておいて良かった。
一応予想とは合っていたが、磨里がどんな人なのか知らない中でも下手に逆鱗に触れてしまってはいけない。
女は、割と面倒臭いと知っていた。
沢口のファンと、凉架のお陰で。

「じゃあ、呼び捨てでいくよ」
「はい」

磨里がスカートから手を離しながら微笑んだ。
その顔が凉架に似ていたものだから、思わず綺麗な頬に手を伸ばしかけた。
しかし、手が腰より少し前に出たところで踏みとどまった。

「じゃあ、あっちに行こう」

沢口の指が指した方向には、駅代表とも言えるカフェがあった。
確かに美味しいし、オシャレではあるが。

「並ばないと入れませんよ、人気あるので。予約とか無かったですよね、確か。来月からなら在るみたいですけど」

磨里がカフェから沢口に目線を戻しながら僕が思っていた事と全く同じことをいった。
磨里の言葉に、僕も便乗させてもらった。

「駅から出れば、人があまり来ない旨い店があっただろ?確かに、此処みたいにオシャレじゃないけど」

それに、きっと多くの人がいる場所ではすべきではない話だ。
聞かれては困るし、多くの不信感と不快感を与えることになるだろうし、制服を来ている今、風紀を乱す訳にはいかない。
少々面倒な事まで考えなければいけないが、悪い学校ではない。
それに、僕の予想は間違っていないはずだ。
僕と磨里の話に、沢口はしばらく考えてから、深く頷いた。
それを合図に、僕たちは駅を後にした。


34: フレット☆2018/02/08(木) 23:59:53 HOST:fl1-119-244-128-37.ngs.mesh.ad.jp
駅を出ると、冷たい風が肌に突き刺さる。
しばらく歩いただけで痛みそうな寒さだった。
磨里も寒そうにマフラーを口元まで埋めている。
どうしてか沢口だけは寒そうでなかった。
背後にはまだ人が多く暖房設備の整った駅がある。
あの空間に戻りたいが、出来ない。
すれちがう通行人もそれぞれに防寒対策をしている。
磨里はいつしか僕の隣にいた。
僕も一応マフラーをしているが、これだけでは暖かくはならない。
ポケットにカイロが入ってはいるが、手を突っ込みながら歩くことはできない。
もう少し我慢すれば暖かなカフェに入れる。
そう言い聞かせて、冷たくなった手を固く握った。
後ろに沢口の気配を感じながら目的地へと歩いていく。
先程のように賑やかな場所ではなく、裏通りにある店だ。
人もまばらになり、目的地が近づいてきた時、隣にいた磨里が口を開いた。

「私、石門さんのこと聞いてたんです。よく、姉が話してくれました」

それだけ言うと、再びマフラーに口元まで埋めてしまう。


35: フレット☆2018/02/10(土) 22:10:49 HOST:fl1-119-244-128-37.ngs.mesh.ad.jp
「凉架は僕の事、何て言ってた?」

僕が恐る恐る聞くと、磨里が目線をこちらに寄越した。
悪い答えが帰って来ない事を願いながら返答を待った。
再び濃い茶色のマフラーを下ろした。
直後、白い息がフワッ と放たれる。
主を無くした息は、遠い空の彼方へ消えていった。
それを見届けてから磨里が口を開いた。
第一声が発せられる直前に大きく心臓が脈を打った。
磨里がもう一度僕に向けた黒い瞳は、その中に闇を抱えているかのようだった。
引き込まれるー 直感的にそう感じ、目線を下へ落とした。
磨里は僕へ冷たい瞳を向けたままだった。

「覚えてないです。なんか、忘れちゃってるみたいです。姉の事は覚えてます、でも。姉が貴方の名前を出した後の言葉は・・・覚えてないです」

衝撃的で、言葉が出てこなかった。
僕のことだけ忘れる、というのが理解できなかった。


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