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泣けるならばきっと、それは恋でしょう

1: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/05(水) 10:48:12 HOST:sp1-75-251-31.msb.spmode.ne.jp

どうして?どうして?どうして…。

どうして私を選んでくれなかったの?

どうしてあの女は、私の邪魔をするの?


私は男じゃない。本当は女。

なのにどうして私を避けるの?


私が女だって伝えたじゃないか。

だから、恋人になってくれてもいいでしょ?


狂愛女子物語。


2: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/05(水) 11:04:27 HOST:sp1-75-251-31.msb.spmode.ne.jp

1


「はぁ……」


彼女のボブヘアが、扇風機によって揺れている。


夏休みに入り、毎朝12時に起きる癖をつけてしまった。

そして今日もこのざまだ。

12時10分に起きてしまった。


「あーあ…ダルいなあ……」


彼女はまた深いため息をつき、布団から出ようともしなかった。

出るつもりもなかった。


寝よう。そう思った時だった。


ピルルルルル……ピルルルルル……。


携帯の着信音が鳴った。メールだ。


こんな時に誰だろう。

めんどくさい、そう思ってガラケーを開く。


3: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/05(水) 11:18:17 HOST:sp1-75-251-31.msb.spmode.ne.jp

その瞬間、彼女はガバッと起き上がった。


メールの送り主は佐々木晴哉だった。 


「晴哉だ…!」 


彼女はすぐにメッセージを見た。


【お前、明日開いてる?】


短文でも、彼女は相手は何が目的なのかすぐに理解した。

きっと、お出かけの誘いだ。


彼女は胸を高鳴らせ、すぐに【開いてるよ】と返信した。


晴哉と出かけられる…。

気づけば、彼女はすっかり目が覚めていた。


4: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/05(水) 11:39:29 HOST:sp1-75-251-31.msb.spmode.ne.jp

彼女、諒(あさ)は彼に密かに想いを寄せていた。


☆☆☆


それは諒が中学校に入学してまもない頃だった。

諒は人見知りで、小学校からなかなか友達を作ることができず、困っていた。

その性格から、よくいじめられてもいた。


肉体的ないじめではなく、精神的ないじめばかりだった。

授業用のノートに「うざい」「根暗」など落書きをされていた。

いじめっ子に脅され、先生に言えなかった。

いじめは毎日続いた。


中学校に上がってからも、またいじめられるかもしれない。


それが怖くて、私は震えた。


しかも、学ランを着ていたので、余計に心配だった。


事情があり、男として生きていくことを決めたのだ。


5: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/05(水) 11:42:39 HOST:sp1-75-251-31.msb.spmode.ne.jp
訂正

私は震えた。→諒は震えた。

事情があり、男として生きていくことを決めたのだ。→諒はある事情で、男として生きることに決めたからだ。


6: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/05(水) 12:02:46 HOST:sp1-75-251-31.msb.spmode.ne.jp

諒は重たい気持ちでクラス表を見た。


1-B

23 葉月諒

1Bか……。なんだか嫌な予感がする。

それは的中し、同じクラスには見たことのない名前ばかりが並んでいることに気がついた。


諒の気持ちは更に重たくなった。


男子としての学校生活、どうやってやっていこうかな…。

男子と話すの、苦手だしな…。


いろいろ考え、結局ひとりぼっちで学校生活を送るのか、と諦め、ため息をつく。


「よろしく」

「……え?」

「クラス、同じだろ?りょうっていうのか」

「え……あ……」

「俺は佐々木晴哉。14番のとこ」


何この人、馴れ馴れしい。

諒は始め、晴哉のことをあまり良く思っていなかった。


7: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/05(水) 17:08:39 HOST:sp1-75-251-31.msb.spmode.ne.jp

諒は重たい気持ちでクラス表を見た。


1-B

23 葉月諒

1Bか……。なんだか嫌な予感がする。

それは的中し、同じクラスには見たことのない名前ばかりが並んでいることに気がついた。


諒の気持ちは更に重たくなった。


男子としての学校生活、どうやってやっていこうかな…。

男子と話すの、苦手だしな…。


いろいろ考え、結局ひとりぼっちで学校生活を送るのか、と諦め、ため息をつく。


「よろしく」

「……え?」

「クラス、同じだろ?りょうっていうのか」

「え……あ……」

「俺は佐々木晴哉。14番のとこ」


何この人、馴れ馴れしい。

諒は始め、晴哉のことをあまり良く思っていなかった。


8: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/09(日) 19:40:47 HOST:sp1-75-251-31.msb.spmode.ne.jp
2回投稿しちゃったすみません!

9: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/09(日) 22:10:26 HOST:sp1-75-251-31.msb.spmode.ne.jp

入学してから3日後のこと。

授業中、諒は消しゴムを忘れてしまったことに気がついた。


「あーあ、もう…」


仕方ないと思い、シャーペンを使って二重線で消そうとした。




「貸そうか?」

「……え」


遠い席から、晴哉がこちらを見て言った。


え?私?


「……あ、その……」

「忘れたんだろ?消しゴム」

「……うん」

「やるよ」


そう言い、晴哉は先生に見つからないように消しゴムを諒に向かって投げた。

周りの席の人は怪訝そうな目でそのやりとりを見ていたが、晴哉は気にしていない様子だった。


10: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/09(日) 22:42:41 HOST:sp1-75-251-31.msb.spmode.ne.jp

「……どうも」


諒は戸惑いながらもお礼を言った。

たじろいでしまい、少し後悔した。


しかし、晴哉は気にするような表情は一切見せず、


「いーよ」


と微笑みながら言った。


その笑顔が、諒には妙にキラキラと輝いているように見えた。




授業が終わり、諒は晴哉に消しゴムを返した。


「……さっきはありがとう。その、ごめんね……なんか」


上手に感謝をできなかったことについて謝った。

だが、やはり晴哉は嫌な顔一つせずに


「いいんだよ。誰だってあんな遠くの席から物貸されたら戸惑うだろ。俺もごめんな」


と、申し訳なさそうに言った。


意外といい人なのかも、と諒は思った。


「…あのさ」

「…?」

「次の移動、一緒に行かね?」

「…え」

「リョウ…だよな。お前いつも独りだからさ、な?」


晴哉はそう言い、ニカッと笑った。


人からそうやって誘われたことは初めてだった。


嬉しかった。

ただ、嬉しかった。


11: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/13(木) 18:56:37 HOST:sp1-75-10-43.msc.spmode.ne.jp

諒は笑顔で



「うん!」 


と言った。


「あ、名前、リョウじゃなくてアサだよ」

「…アサ?」

「うん。よく間違えられるんだよね。仕方ないけど」


そう言い、諒は笑った。

作り笑顔ではなく、自然と出た笑顔だった。


「いい名前だな」

「……え。そんな…読みにくいし…」

「いや、読みにくいとかそんなんじゃなくて。
 響きが綺麗だなって思っただけ」


そんなことを言われると照れくさい。

諒は自分でも顔が熱くなっていることに気付いていた。


「早く行こうぜ」


晴哉が振り向きながら言う。


「わかった」


自身の心臓が鼓動を早めていることにも気付いた。


わかった。

これは……恋だ。


気付いてしまった。

気付いてしまったのだ。


12: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/13(木) 19:06:55 HOST:sp1-75-10-43.msc.spmode.ne.jp


☆☆☆


「ふふ……」


晴哉との出会いを思い出していると、

思わず顔がニヤニヤしてしまう。


返信、楽しみだな。

どこへ出かけるのかな。


諒は再び身体を横にした。


晴哉のことであれやこれやと妄想していた。


まだ晴哉に自身が女であることを明かしていない。

けれども、いつかは明かそうと思っていた。


晴哉に女として見られたい。


そんな思いがあった。


13: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/13(木) 19:32:40 HOST:sp1-75-10-43.msc.spmode.ne.jp




「……遅いなあ」


返信を待ってから何分くらいだっただろうか。

なかなか返って来ない。


「どうしたんだろう……」


何かハプニングでも起きたのかなと、

諒は少し心配になった。


まあいいか。

落ち着いて返信を待とう……。

諒はそう決意した。


しかし、やはりいくら待っても

返事は来なかった。


諒はもう一度メールを送ろうか迷った。

失礼にならないだろうか。


ううん、いいよね。


晴哉を心配してる証にもなるし。


諒は再びメッセージを打った____


14: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/19(水) 00:20:14 HOST:sp1-75-7-141.msc.spmode.ne.jp


しかし、まだ返信は来ない。


「…もういいや」 


諒は返信を待つことを諦め、ゆっくりとベッドから降りた。

そしてまた深いため息をついた。


階段を下りてリビングに入ると、おにぎりが2つラップに包まれて置いてあった。

しかし、諒はまだお腹は空いていなかった。食欲がなかった。


後で食べよう。諒はリビングのこたつで横になった。


諒は山田さんと2人暮らしで、家族はいない。

なぜかは諒本人にもわからない。

捨てられた記憶がなかった。


ただ、諒には以前家族と一緒に暮らしていた感覚が残っていた。

それがいつなくなったのか、全くわからなかった。


15: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/23(日) 20:15:14 HOST:sp1-75-7-141.msc.spmode.ne.jp


☆☆☆

「お待たせー!」

「…おせーよ」

「ごめんごめん。どんな格好してこようか迷っちゃって……」


一方その頃、ある男女が遊園地で会っていた。

傍から見れば、恋人同士のようだ。


その男の方は_____




晴哉だった。



「…あ、本当にいいの?」

「何が?」

「今日、友達と何か約束してたんでしょ?」

「あ?いーよいーよ。友達なんかよりお前の方が上だしな」

「……んふ、ありがとー!」


女は晴哉に抱きついた。


晴哉は微笑み、ゆっくりと女の背中に手をまわした___


16: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/23(日) 20:31:42 HOST:sp1-75-7-141.msc.spmode.ne.jp

「ねえねえ、最初どこ乗るー?」


ふんわりした金髪のボブヘアを揺らしながら、女が聞く。


「ジェットコースターにしようぜ」


晴哉はニカッと笑って答えた。


「んふふ、晴哉ったらさっすがー!

ほんとジェットコースター好きだねー」


「まあな」


女は晴哉の腕に抱きつく。

晴哉は微笑みながら歩きはじめる。



「…うわあ、見てあのカップル」

「ぷっ。イチャイチャしすぎやん」

「リア充爆発!」

「別に遊園地だしよくない?そんなことよりさー…」


他人から見れば普通のイチャイチャカップルだ。

晴哉は周りの視線など気にもしない様子だった__

☆☆☆


晴哉が他の女と会っていることはつゆ知らず、諒はこたつで寝入っていた。


17: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/23(日) 20:35:23 HOST:sp1-75-7-141.msc.spmode.ne.jp
3のやつ「明日」じゃなくて「今日」で!

18: 伊藤カホ (nDv.wBkPc.)☆2017/04/23(日) 20:46:53 HOST:sp1-75-7-141.msc.spmode.ne.jp
 
「……うーん」


諒が目を覚ましたのは、3時間後だった。


「…うわ、寝すぎちゃった」


時計を見て呟く。


その時、諒は「あ…」と思い出した。

_晴哉からの返信を見なきゃ。


急いで携帯を見る。


まだ返事はなかった。


さすがにおかしいと思い、今度は電話をかけることにした。

しかし、やめた。


きっと急用でもできたんだ。


そう自分を説得させた。


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